強打者の証しとも考えられなくもないが、大谷翔平が四球攻めにあっている。
Two-Way Star きょうの大谷翔平
投手で45本塁打を記録し「本塁打王」争いでもトップと1本差で追いかけている大谷翔平がまともに勝負してもらえない試合が続いている。
- 9月22日(日本時間23日)は6打席4四球
- 9月23日(同24日)は4打席3四球
- 9月24日(同25日)は5打席4四球
3試合で11四球、そのうち4四球が申告敬遠。下記のようなエンゼルス番記者の考察もあるが、それでも申告敬遠4は酷すぎる。
大谷翔平に対する四球が増えたが、この1ヶ月くらい対戦チームは攻め方を変えていないと思う。大谷がようやく難しい球に手を出さなくなっただけ。これはいいこと。
大谷の長打力と直後の打者がゴセリンであることを考えれば、歩かされる今の状況も難なく理解できる。
— ジェフ・フレッチャー(エンゼルス番記者) (@ShoTimeTalk) September 25, 2021
■これまでは3試合で10四球がア・リーグ記録
この3試合で11四球は1969年のレジー・ジャクソンらを超えるアメリカン・リーグの新記録らしい。
ちなみにメジャー記録は2016年のブライス・ハーパーがマークした3試合で11四球で、それと並んだ。
#Angels Shohei Ohtani has now tied the American League record with 10 walks in a three-game span; first to do so since Reggie Jackson in 1969.
The MLB record belongs to Bryce Harper (11 walks) in a three-game span in 2016. https://t.co/8Xrhs8pUXh
— Matt Birch (@MattBirch12) September 25, 2021
■歴代ではベーブ・ルースらも経験
ファンからしてみれば、この歯がゆい出来事は過去に5回あるらしい。1930年のベーブ・ルースら歴史上の大打者たちも3試合で10四球を経験している。
- Reggie Jackson, OAK (1969)
- Pete Runnels, BOS (1959)
- Max Bishop, BOS (1934)
- Babe Ruth, NYY (1930)
- Tris Speaker, BOS (1912)
ただ、ボール球に手を出すことなく一塁に歩く大谷の表情を見ていると余裕の笑みを浮かべている。申告敬遠の時の表情などは強打者そのものの風格すら漂っている。
こうした四球攻めもファンが考えている以上に、大谷の中では整理されているのだろう。
■背景にはチームの置かれた状況が影響している
この背景には対戦相手の置かれた状況もある。エンゼルスは日本時間24日の時点で153試合を消化して残り9試合。それは、46本塁打のゲレーロJr.一塁手(ブルージェイズ)、ペレス捕手(ロイヤルズ)も同じような条件だが、残念なことに、エンゼルスの対戦相手のアストロズやマリナーズは事情が違う。
アストロズは地区優勝は確実だが、勝率をアップさせてポストシーズンを優位に戦う上でのホームフィールド・アドバンテージを獲得したいところ。
マリナーズも悲願の20年ぶりのポストシーズン進出をかけてワイルドカード最後の枠を争っている状況で両チームとも負けられない試合が続いている。地区4位確定のエンゼルスとは置かれた状況が違う。
大谷の打順も後続の打者が3度もリーグMVPを受賞しているマイク・トラウトではなくメジャー通算17本塁打のフィル・ゴセリンというのも勝負してもらえない要因だろう。
大谷を1番にして2番に復調してきた2年目のジャレッド・ウォルシュを置く打順もあるが、マドン監督は左打者が続くのを避ける傾向がある。
デビッド・フレッチャーを挟む打順もあるが、フレッチャーは今季2本塁打しかなくゴセリン程度の迫力しかない。やはり、トラウト、アップトン、レンドーンという主力打者が故障しているのが大谷の打席に影響している。
大谷翔平には最後の10試合でストロングフィニッシュしてほしいと何回か書いたが、こうなれば10勝目を早く記録して故障なくシーズンを終えてほしい。