選手と同様、球団幹部たちも結果を求められる。ただ、結果が出ていても解任される場合もあるようだ。
カージナルスがシルト監督を解任
現地10月14日(日本時間15日)、カージナルスはマイク・シルト監督を解任した。
■最近のカージナルスのフロント体制
カージナルスは約3年前の2018年8月28日(日本時間29日)、マイク・シルト氏を監督代行を正式に監督に昇格させ、2020年までの契約に合意した。
その年のカージナルスは、オールスター・ブレイク前にマイク・マシーニー監督(現ロイヤルズ監督)を電撃解任。後半戦は、監督代行としてベンチコーチのシルト氏がチームの指揮を取っていた。
Mike Shildt sheds interim tag and inks 3-year deal with Cardinals, per @dgoold pic.twitter.com/RIVNuglcHd
— Bleacher Report MLB (@BR_MLB) 2018年8月28日
シルト氏は、カージナルスの公式サイトによるとカレッジまでの選手経験はあるが、プロ選手経験がない唯一の現役監督だ。
しかし、シルト監督に交代後のカージナルスは、69試合で41勝28敗(勝率.594)の好成績を残し、惜しくもポストシーズンは逃したが、2019年は4年ぶりにナ・リーグ中部地区を制して地区優勝。シルト監督は2019年の「最優秀監督賞」に輝いた。
その後、2019年11月には2020年以降も同じフロント体制を維持することを発表した。
ビル・デウィットJr.会長が現地時間11月5日、ジョン・モゼリアック野球部門社長(編成本部長)、マイク・ガーシュGM、マイク・シルト監督との契約を延長したことを発表した。
Today we announced contract extensions for President of Baseball Operations John Mozeliak, Vice President & GM Michael Girsch and Manager Mike Shildt.
Additionally, the entire Major League coaching staff will return in 2020 👉 https://t.co/Cdkm07K4Pr pic.twitter.com/fNfW9cHAMV
— St. Louis Cardinals (@Cardinals) November 5, 2019
モゼリアック野球部門社長は2007年からカージナルスの野球部門に在籍しており、当初の契約は2020年までだったが、3年間契約が延長された。
2006年からカージナルスの球団組織に在籍しているマイク・ガーシュGMは、2017年にGMに就任。モゼリアック氏とともにチーム作りにおける重要な役割を担っている。
このモゼリアック=ガーシュ体制とシルク氏の間に球団運営に対する方向性の違いがあったのだろうか?
■衝撃的な解任劇
シルト氏は暫定監督から正式監督に就任後に結果を出した。2019年は地区優勝、2020年と2021年はワイルドカードで進出。3年連続でポストシーズン進出を果たした。3年半の通算成績は252勝199敗(勝率.559)で、2019年には「最優秀監督賞」と評価された。
今季は前半に低迷したが、9月には球団新記録となる17連勝を達成したことは記憶に新しい。
モゼリアック野球部門社長はシルト氏の解任を発表した記者会見のなかで「このような決断は難しいものだが、球団の方向性に関する哲学的な相違が今回の決断につながったことについて双方が同意している。マイクの契約は1年しか残っておらず、今この問題に取り組むことが皆のためになる」とコメント。
「チームの方向性に関する考え方の相違がこの結論につながった」と記した。
この「方向性に関する考え方の相違」は今後の報告を待ちたいが、勝率.559で「最優秀監督賞」も受賞。契約社会のアメリカで契約を残していても途中解任になるとは、衝撃的だ。どんな方向性の違いがあったのだろうか?今後の報告を待ちたい。
カージナルス後任の監督は?
早速、後任探しは始まっているようで、今回も内部昇格でオリバー・マーモル・ベンチコーチらの名前が挙がっている。
シルト氏に関しては、現在53歳。カージナルスで結果を出していることだし、例えばレンジャーズなど他球団からのオファーもあるかもいない。