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【球団人事】カージナルスの新監督は35歳のオリバー・マーモル氏に決定

カージナルスの新監督は35歳のオリバー・マーモル氏に決まった。シルト前監督時代にベンチコーチを務めていた人物だ。

 

カージナルスの新監督が内部昇格で決定

 

10月15日の記事でも紹介したが、カージナルスの新監督にベンチコーチだったオリバー・マーモル・コーチが内部昇格で就任した。

 

順当といえば順当な人事だが、首をひねりたく人事だ。好きなチームだけに心配だ。

 

衝撃的な解任劇

 

前任のシルト氏はオールスター前に電撃解任されたマイク・マシーニ氏(現ロイヤルズ監督)の後釜として暫定監督から正式監督に就任後に結果を出していた。

 

2019年は地区優勝、2020年と2021年はワイルドカードで進出。3年連続でポストシーズン進出を果たした。3年半の通算成績は252勝199敗(勝率.559)で、2019年には「最優秀監督賞」も受賞した。

 

今季は前半に低迷したが、9月には球団新記録となる17連勝を達成したことは記憶に新しい。

 

モゼリアック野球部門社長はシルト氏の解任を発表した記者会見のなかで「このような決断は難しいものだが、球団の方向性に関する哲学的な相違が今回の決断につながったことについて双方が同意している。マイクの契約は1年しか残っておらず、今この問題に取り組むことが皆のためになる」とコメント。

 

「チームの方向性に関する考え方の相違がこの結論につながった」と記した。

 

この「方向性に関する考え方の相違」はどういうことなのか、今後の報告を待ちたいが、勝率.559で「最優秀監督賞」も受賞。

 

契約社会のアメリカで結果を出して契約を残していても途中解任になるとは、衝撃的で、理解に苦しむ。

 

 

■35歳の若さで大丈夫なのか?

 

早速、後任探しは始まっていたようで、噂通り内部昇格でオリバー・マーモル・ベンチコーチに決まった。

 

オリバー・マーモルは、2011年からマイナーのコーチや監督を歴任し、2017年からメジャーに昇格して一塁ベースコーチ、2019年から今季までの3年間はシルトのもとでベンチコーチを務めた。

 

ジョン・モゼリアック編成本部長が「彼はいつかメジャーの監督になると思っていた」と語ったように、チーム内での評価は非常に高かったようだ。

 

 

 

 

9月の大事な時期に球団新記録となる17連勝を達成したカージナルスだったが、その陰にはマーモルら若い頭脳のデータ解析などが生かされていたのかもしれない。

 

マーモル新監督は、来季開幕時点で35歳273日と若い。昨今流行っていたオールドスクール・タイプのベテラン監督からデータ重視の若い才能に切り替えたと考えることもできる。

 

カージナルスは「考え方の違い」によりシルトを解任したが、マーモルは「これまでとそんなに変わらない。成功をどのように生かしていくかが大切だ」と話しており、シルト路線を継承していくとしたらシルト前監督との「考え方の違い」とは何だったのだろうか?

 

球団運営に関してモゼリアック=ガーシュ体制とシルト氏とのよほどの対立があったのだろう。

 

シルト氏に関しては、現在53歳。カージナルスで結果を出していることだし、例えばレンジャーズやパドレスなど他球団からのオファーがあるかもいない。

 

35歳の監督が、球界を代表する39歳の名捕手ヤディアー・モリーナや、40歳の右腕アダム・ウェインライトの上に立って指揮をスムーズにとれるのか。

 

ポール・ゴールドシュミットやノーラン・アレナドといったスター選手たちをコントロールできるのか、チームが好調な時は問題ないが、負けがこみだすと、パドレスのようにフラストレーションがたまり爆発する。

 

そうした事態を35歳の若手監督が上手く収められるのか、とりあえずモリーナ達がいる来年は大丈夫だろうが、それ以降が心配だ。