現地時間10月6日(日本時間7日)、パドレスはジェイス・ティングラー監督を解任した。ここではパドレスの次期監督候補を紹介したい。
球団人事
「USA TODAY Sports」のボブ・ナイチンゲールが現地13日、パドレスの後任監督の最終リストはまだ決まってないと前置きした上で複数の候補者を自身のSNSで紹介している。
The #Padres still are finalizing a list of managerial candidates to interview, but names being internally discussed include: Bruce Bochy, Buck Showalter, Jeff Bannister, John Gibbons, Ron Roenicke, John Farrell and Brad Ausmus.
— Bob Nightengale (@BNightengale) October 13, 2021
それによれば下記のような面々になる。
ブルース・ボウチー(66歳)
バック・ショウォルター(65歳)
ジェフ・バニスター(5歳)
ジョン・ギボンズ(59歳)
ロン・レニキー(65歳)
ジョン・ファレル(59歳)
ブラッド・オースマス(52歳)
さらに、 「ジ・アスレチック」のジム・ボウデンが挙げたリストは下記。
ブルース・ボウチー(66歳)
バック・ショウォルター(65歳、最優秀監督賞3度)
マイク・ソーシア(62歳)
ロン・ワシントン(69歳)
エドゥアルド・ペレス(52歳)
2人の記者による監督候補者をまとめたが、ブルース・ボウチー氏は、パドレスとジャイアンツで25年、監督として2003勝(2029敗)。ジャイアンツの監督としてワールドシリーズ制覇を3回経験。これは、メジャー史上で10人しかいない(そのうち9人がアメリカ野球殿堂入り)。
ロン・ワシントン氏は、レンジャーズ時代にチームを11年ぶりの優勝に導き、レンジャーズ史上初となるリーグ優勝決定シリーズに進出、そしてワールドシリーズ進出を果たした(2010年)。翌年もリーグ優勝を果たし、2年連続でワールドシリーズに導いた。
現在はブレーブス三塁ベースコーチ。2011年は上原浩治がレンジャーズに在籍していたことから、何となく覚えている黒人の監督だ。
マイク・ソーシア氏は、大谷翔平が渡米した時の監督で、説明するまでもないが、2002年にエンゼルスでワールドシリーズを制覇している。アメリカ代表チームを率いて東京オリンピック2020でも来日した。
ジョン・ギボンズさんは、川崎宗則がブルージェイズにいた頃の監督さん。もっと川崎を使ってほしかったイメージはあるが、マイナー組織の指導者としても長く、喧嘩早い闘将のイメージで退場も多かったし、選手とのトラブルも多かった気がする。
ジョン・ファレル氏は2013年にレッドソックス監督に就任し、上原浩治、田澤純一らを擁して同年のワールドシリーズ制覇を果たした。就任から5シーズンの通算成績は432勝378敗で勝率.533。2013年、16年、17年と地区優勝を果たしており、レッドソックス歴代指揮官として唯一の2年連続地区優勝を達成した。2018年にはレッズのスカウトに就任している。
個人的な感想だが、テリー・フランコーナ監督のもと2007年にレッドソックスの投手コーチとして就任。その実績は評価したい。豪華なパドレスの投手陣を上手く使えそうな予感はする。
その他、若手の監督もリストアップしている。
ジョージ・ロンバード(46歳)
ジョー・エスパーダ(46歳)
カルロス・メンドーサ(41歳)
マット・クアトラーロ(45歳)
マーク・デローサ(46歳)
A.J.エリス(40歳)
ルイス・ロハス(40歳)
MLB公式サイトによるとA.J.プレラーGMとピーター・サイドラー・オーナーはティングラー氏の後任となる新監督には「経験」を求める方針を明らかにしている。
パドレスは若い監督が2代続いたから、今度は補強した才能豊かなスター選手たちをまとめる統率力と勝負所でチームに結果をもたらす豊富な経験を求めているということだろう。
パドレスでは9月18日(日本時間19日)のカージナルス戦で マニー・マチャドとフェルナンド・タティスJr.がベンチ内で激しく口論するシーンがあった。負けが込むとよくあることで、苛立ちを抑えることができない若手を中堅のマチャドが抑えようとしたシーンだったと記憶しているが、メディアで大きく拡散されたため、内紛かと話題になった。
しかし、球団経営陣は、ポストシーズン進出のかかった9月に連敗を続け、不協和音まで広がったチームを上手くまとめ上げる人物。クラブハウスのムードを勝利の方向にマーネージメントできる人物に託したいということだろう。
あのデータ重視のアストロズでも72歳のダスティ・ベイカーさんを招聘して「サイン盗み」スキャンダルで揺れるチームをまとめ上げた。そうしたことも参考になったのかもしれない。
若い監督がデータ解析を駆使するスタイルが最近のトレンドだが、スター選手を補強したフィリーズがジョー・ジラルディ、ホワイトソックスが77歳のトニー・ラルーサを招聘して結果を出している例もあり、若い才能が多いパドレスを経験豊富な監督が率いるスタイルになるのだろうか。