メジャーリーグには選手の移籍や契約に直結する各種のデッドラインがある。夏のトレード期限などは、その代表的な例だ。
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ウィンターミーティングの最終日に行われる現役選手のドラフト「ルール5ドラフト」。その対象となるプロスペクトたちを同ドラフトからプロテクトするために各球団が40人枠に登録する編成上の期限があり、今季は、現地時間11月20日午後8時(日本時間11月21日午前10時)だったが、各球団は40人枠の再編成を行った。
その再編作業で話題になっているのが、ヤンキースのジャコビー・エルズベリー。ライバルのレッドソックスから13年オフに7年1億5300万ドルの大型契約でヤンキースに移籍して、彼が打席に立つとレッドソックスのフェンウェイパークではブーイングの嵐だった。
そのエルズベリーがルール5ドラフトのプロテクトに関連して解雇されている。
エルズベリーは07年にボストン・レッドソックスでメジャーデビュー。自慢の俊足を活かしたハッスルプレイで活躍。3度の盗塁王(08年、09年、13年)に輝き、11年には158試合に出場、打率.321、32本塁打、212安打、OPS.928といずれもキャリアハイの成績で、初のゴールドグラブ賞、シルバースラッガー賞を受賞した。ア・リーグMVPの投票でもジャスティン・バーランダーに次いで2位に入った。
ただ、ヤンキース移籍後は、5シーズンで打率.264、39本塁打、OPS.716。18年は故障で出場機会ゼロ。18年オフにはヤンキースはトレード先を模索していた。エルズベリー以外にも故障が多かったグレッグ・バード、ネスター・コルテスJr.がDFAになった。
さらに、マーリンズが6人のプロスペクトを40人枠に登録。これに伴い、チェン・ウェイン(陳偉殷)がDFAになっている。
台湾の高雄市出身34歳のチェン・ウェインは、オリオールズではローテーションの一角を担い4年間で防御率3.72、46勝32敗。3度の2ケタ勝利をマーク。左のエース格として15年オフに5年8000万ドルでマーリンズに移籍した。
しかし、これが裏目に出た。移籍1年目は5勝5敗、防御率4.96。翌17年は故障により9試合にしか登板できず、18年は移籍後最多の133回1/3を投げたものの6勝12敗、防御率4.79。そして、今季は、先発ローテーションから外され、ブルペン要員として45試合に起用されたが防御率6.59に終わり契約を1年残してDFAになった。
チェン・ウェインは04年から11年にかけてNPB中日ドラゴンズで活躍。NPBでは通算127試合36勝30敗、1セーブ、520奪三振。 650.2投球回で防御率2.59だった。09年には最優秀防御率のタイトルを獲得している。
▽記事参考/引用
https://www.mlb.com/news/wei-yin-chen-designated-marlins-add-6-to-roster
https://www.mlb.com/news/jacoby-ellsbury-released-greg-bird-designated