開幕から2ヵ月が過ぎて全日程の約35%を消化したメジャーリーグ。いまのところ、球界全体にインパクトを与えるような大きな移籍はないようだが、この時点で調子が出ずにDFAされた選手などの移籍情報を簡単に紹介したい。
MLB移籍情報
オリオールズがヒックス獲得
オリオールズがヤンキースからDFAされFAになっていたアーロン・ヒックス外野手を獲得した。
ヒックスは33歳。メジャー11年目の今季は、28試合に出場して打率.188、1本塁打、5打点、出塁率.263、OPS.524と自己ワーストの成績だった。
このため7年7000万ドルの契約の一部が2025年まで残っていたが、ヤンキースからDFAされていた。
MLB公式サイトによるとオリオールズはレギュラーのセンター、セドリック・マリンズを右股関節痛で10日間の負傷者リストに登録。そのため左打ちの外野手を探していた。
ヒックスの残りの年俸はヤンキースが負担し、オリオールズは最低保証年俸でセンターの守備には定評のあるヒックスを獲得したことになる。
フルマー投手がエンゼルスとマイナー契約
先日、レッズからDFAになっていたカーソン・フルマー投手がエンゼルスとマイナー契約を結んだ。
フルマーは29歳の右腕で、2015年のMLBドラフト1巡目(全体8位指名)でホワイトソックスが指名、2016年にメジャーデビュー。
2019年には20試合に登板(2先発)して27.1イニングで防御率6.26。その後はタイガースやオリオールズを経て、2021年にはレッズで20試合に救援登板し、25.2イニングで防御率6.66、WHIP1.52だった。
エンゼルスは35歳のリリーバー、ライアン・テペラを日本時間5月15日にDFA。テペラの代役として3Aからザック・ワイスを昇格させ、先日も傘下2Aから若手投手を2人昇格させるなどブルペンの再編をすすめている。
ロイヤルズがドージャーをDFA
日本時間5月23日、ロイヤルズは故障離脱していたニッキー・ロペスの戦列復帰に伴い、ハンター・ドージャー内野手をDFAした。
ドージャーは31歳。2013年のMLBドラフト1巡指名(全体8位)選手だったが、正三塁手としてスタートした今季も29試合で打率.183、OPS.558と不振。契約の残り期間の年俸(1675万ドル)はロイヤルズが負担する。
サンチェス、次はパドレスへ
パドレスは日本時間30日、メッツから戦力外となっていた通算154本塁打のゲーリー・サンチェス捕手をウエーバーを通じて獲得した。
サンチェスは2015年10月にメジャーデビュー。2016年にわずか53試合で20本塁打を放ち、ジャッジらと共にこのブログでも紹介したことがある選手だ。
ヤンキースに在籍していた田中将大ともバッテリーを組んでいたので当時を覚えている方も多いだろう。
2017年は122試合に出場して打率.278、33本塁打、90打点、OPS.876の好成績を残し、シルバースラッガー賞を受賞。2019年には自己最多の34本塁打を記録した。
ただ、その後が伸び悩んだ。打撃面にムラがあり、2020年は打率.147、OPS618。2021年は打率.204、OPS.730。
それに加えて課題の守備面が一向に改善されていないという評価で、ヤンキースは2022年3月に複数トレードでツインズへ放出した。
しかし、新天地のツインズでも復活できず2022年は128試合で打率.205、16本塁打、61打点、OPS.659と低調だった。オフの11月6日にFAになり、所属先が決まらないでいたが、シーズン前にジャイアンツとマイナー契約していた。
今季も捕手陣が層の薄いジャイアンツに加入してチャンスがあるようにみえたが、ジャイアンツ傘下の3Aでは、打率.164と0本塁打で少ないチャンスをものにできなかったようだ。
サンチェスの契約には5月1日までにメジャーへ昇格できない場合、オプトアウトできる権利がついていて、サンチェスはそれを行使してFAになって所属先を探していた。
その後、メッツとマイナー契約し、5月19日に今季初昇格したが、わずか3試合でDFAとなっていた。
サンチェスはパドレスで今度こそ輝けるのだろうか?