MLB メジャーリーグ物語

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【MLB移籍情報】ゲーリー・サンチェス捕手がメッツとマイナー契約

 

メッツがジャイアンツからフリーエージェント(FA)となったまま所属先が決まっていなかったゲーリー・サンチェス捕手とマイナー契約を結ぶことで合意に至ったようだ。メジャー昇格した場合は年俸150万ドル(約2億円)。これに120万ドル(約1億6000万円)の出来高が付く。

 

 

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サンチェスに関してはエンゼルスも興味を示していると、ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマン記者が3日(日本時間4日)、ツイートしていた。

 

 

エンゼルスは期待のプロスペクトで開幕から打撃も好調だった23歳のローガン・オホッピー捕手が左肩の手術を受け4~6カ月の離脱が決定。

 

昨季まで大谷とバッテリーを組むことが多かった正捕手マックス・スタッシも股関節のケガで負傷者リスト(IL)入りしており、それに家族の緊急事態も絡んで復帰時期がまだ読めない状態だ。

 

幸いなことに開幕前は3人目の控え捕手だったマット・タイスが打撃も好調だが、過酷なメジャーのスケジュールを乗り切るのは一人では厳しい。

 

もう一人のチャド・ウォーラックも10試合だけだが打率.267、OPS.790、得点圏打率.400と好調で、5月5日(日本時間6日)のレンジャーズ戦では9回のチャンスの場面で殊勲打になるタイムリ二塁打を放っていた。

 

 

メッツとマイナー契約が報じられているサンチェスは30歳。2015年10月にメジャーデビュー。2016年にわずか53試合で20本塁打を放ち、ジャッジらと共にこのブログでも紹介したことがある選手だ。

 

ヤンキースに在籍していた田中将大ともバッテリーを組んでいたので結構印象の強い選手だった。

 

2017年は122試合に出場して打率.278、33本塁打、90打点、OPS.876の好成績を残し、シルバースラッガー賞を受賞した。さらに、2019年には自己最多の34本塁打を記録した。

 

ただ、その後が伸び悩んだ。打率が極端に低く2020年は打率.147、OPS618。2021年は打率.204、OPS.730。

 

打撃面にムラがあり、それに加えて課題の守備面が一向に改善されていないという評価で、ヤンキースは2022年3月に複数トレードでツインズへ放出した。

 

サンチェスはツインズでも復活できず2022年は128試合で打率.205、16本塁打、61打点、OPS.659と低調だった。オフの11月6日にFAになり所属先が決まらないでいたが、シーズン前にジャイアンツとマイナー契約していた。

 

今季も捕手陣が層の薄いジャイアンツに加入してチャンスもあるように思えたが、ジャイアンツ傘下の3Aでは、打率.164と本塁打0で少ないチャンスをものにできなかったようだ。

 

サンチェスの契約には5月1日までにメジャーへ昇格できない場合、オプトアウトできる権利がついていて、サンチェスはそれを行使してFAになって所属先を探していた。

 

エンゼルスのフィル・ネビン監督と打撃コーチのマーカス・テームズは、ヤンキース時代のサンチェスをよく知っているとのことだったので、可能性は低いが、サンチェスがエンゼルスに加入することも考えられた。

 

しかし、エンゼルスのフロントは打率.310、OPS.829のタイスと長打力もあり守備面で信頼感のあるウォーラックを選んだようだ。


MLB専門誌『スラッガー』の元編集長、宇根夏樹氏によるとウォーラックもタイスも、マイナーリーグ・オプションは残っていないらしく。エンゼルスが仮にサンチェスをロースターに加えて、代わりに二人のどちらかをDFAした場合、エンゼルスからいなくなる可能性もある。そうなれば人数的には二人体制で今の状態と変わらない。

 

サンチェスのエンゼルスへの移籍は好調なタイス、ウォーラックの二人とロースターの事情も考えて見送られたとみたい。

 

サンチェスもメッツのロースターやメジャーデビューの地であるニューヨークへの凱旋を希望したのかもしれないが、それはわからない。メッツでの活躍に期待したい。

 

なお、エンゼルスはウォーラックは首の張りでIL入り。変わってクリス・オーキー捕手が昇格。大谷と初めてバッテリーを組んだ。