メジャーリーグの戦術は解析ツールの進歩によりデータ重視のトレンドにシフトしている。それは、打撃面だけでなく守備面でも進み、守備の極端なシフトや投手起用でもオープナー制を採用し、その延長線上に「ブルペンデー(Bullpen day)」を設定するチームも増えた。
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高まるブルペン投手たちのニーズ
その結果、ブルペンのリリーフ投手たちのニーズは高まっている。それは、ポストシーズンには顕著で、先発は4イニングで、5回から継投策にでるチームもある。
短期決戦の場合、先発は3人で回し、先発ローテーションの4、5番手はブルペン、または、アクティブ登録してもらえない投手もいる。例えばドジャースの前田は2年連続でシーズン途中からブルペンに回されている。
ナ・リーグ中部地区で首位争いを演じているカブスのダルビッシュ有もこのままいけばポストシーズンでブルペンか、ベンチ入りできないことも考えられる。
話は横道に逸れたが、後半戦とポストシーズンに需要が高まるリリーフ投手の中で、インパクトのある7人のリリーバーをMLB.comのコラムリストであるリチャード・ジャスティスがピックアップしている。
7 impact relievers who could be traded
— Richard Justice (@richardjustice) 2019年6月9日
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興味深い内容だったので、それを参考に7人の注目リリーバーを2~3回に分けて紹介したい。
1. ブラッド・ハンド(LHP) インディアンズ
29試合、防御率0.98、WHIP0.76、奪三振率13.01
16年から18年にかけての3年間で平均74回の登板。防御率は2点台。今季は被打率が.149と圧倒的なパフォーマンスだ。インディアンズはツインズに10ゲーム以上離され地区4連覇も赤信号。ゲームの終盤に登場して勝利に導くリリーバーとして悲願の世界一を目指すドジャースのクローザー、ケンリー・ジャンセンの前を任せればポストシーズンへの備えは万全になる。
また、ハンドは20年まで契約が残り21年もクラブオプションになっていることも魅力の一つだろう。
2. ウィル・スミス(LHP) ジャイアンツ
25試合、防御率2.19、WHIP0.73、奪三振率12.77。2年連続下位に低迷するジャイアンツ。今季も地区最下位だが、そのチームにあって今季は14セーブを挙げている。
平均93マイル程度で剛腕ではなくチェンジアップを多投するタイプだが、制球は安定しており、三振も多く取れるので、左腕のセットアッパーを求めているチームにフィットする。今季は1年422万5000ドルで終了後にFA。体力的にも29歳と脂の乗った年齢だ。
ブレーブスの8回を任せるのが適任だが、首位争いを演じるフィリーズも欲しい左腕だろう。
以上の2投手を紹介したが、PART2、PART3では残りの投手たちを紹介する。
◇記事参考
7 impact relievers who could be traded