MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

上原の直訴「7.6アナハイムの失敗」から快進撃

上原浩治「7.6アナハイムの失敗」

 

今季の上原浩治は27試合連続無失点、37人連続アウトなどクローザーとして大車輪の活躍だった。最後はワールドシリーズの胴上げ投手になったが、その“きっかけ”になったのが、7月6日のエンゼルス戦。

 

そのときの様子を上原自身が後日、ブログで明かしている。

そのブログがこれ。

 

 

 

ダイヤモンドバックス、第三戦

 

四点差まで自分の仕事っていまは思ってるから、今回も投げてきましたよ(^^)

 

アナハイムでの失敗があった時に、監督、コーチにちょっと怒り気味で訴えたからね^^;

 

自分はセーブが付くことに興味が無い! どうしたらチームに勝ちが付くか。

 

だから、四点差になるとコーチから確認がきて、投げれる

状態なら行けるって...。

 

まっ、まだ無理ですって言ったことは無いけどね(o^^o)

 

三連投したときぐらいかな...。

 

あれは、監督から休みって言われていたけどね。

 

<略>

 

アナハイムの失敗とは?

 

ここで上原の言うアナハイムの失敗》とは、

 

7月6日のエンジェルス戦。3点差以内でクローザー役の上原を起用してきたチームが、7-3と4点差リードの場面で他の中継ぎを登板させてピンチをつくり、あわてて上原を投入したが、4点差を同点にされて、結局、延長戦の末、ゲームを落とした。

 

この試合後、上原はジョン・ファレル監督に直訴し「4点差だろうと5点差だろうとかまわない。頭から投げさせて欲しい。僕自身はセーブを挙げることに興味はない。興味があるのは勝つことだけなんですって伝えたんです」

 

これ以降、上原の起用法の幅が広がり、上原の“快投乱麻”のピッチングとチームの快進撃が始まった。ターニングポイントになった試合かもしれない。

 

7/23 @レイズ6-2(4点差で登板)

7/29 @レイズ1-2(負けてる場面で登板)

8/04 @ダイヤモンドバックス4-0

8/17 @ヤンキース6-1

 

3点差以外でも、4点差以上で投げた試合はこれだけある。

 

両翼の狭い本拠地フェンウェイパークは、明らかに打者有利の球場で、「3点差はセーフティリードとは言えず、その基準を広げる必要がある」とする見方もある。数チームを渡り歩いた上原にはそれがよくわかるのだろう。

 

上原には、レンジャーズ時代、シーズン終盤でアスレチックスに3連敗し162試合目に地区優勝を逃した経験もある。

 

球数制限や分業制が徹底しているメジャーで、個人の記録よりも「For the  team」に徹する姿勢を高く買いたい。おそらく首脳陣もそれを感じたに違いない。

 

「野球の神様」はそんな選手にご褒美を与えたのだろう。