MLB契約情報
今年のクオリファイング・オファー(QO)は、ニューヨークポストのジョエル・シャーマンによると、1965万ドル(約29億5000万円)に設定されるという。
Sorry mistyped a number:
— Joel Sherman (@Joelsherman1) October 14, 2022
Source: The qualifying offer for this offseason will be $19.65 million dollars.
ちなみに昨年のQO提示額は1840万ドル(約20億8700万ドル)。一昨年は1890万ドルで初めて前年を下回った提示だった。
昨年オフには14人が提示された。その中には、アストロズのジャスティン・バーランダー投手や現フィリーズのノア・シンダーガード投手も含まれていた。
最終的には13人が拒否して、ブランドン・ベルト(ジャイアンツ)だけが受託した。
MLB2021 クオリファイング・オファー提示の14選手
ブランドン・ベルト(ジャイアンツ)⇒ 受託
▼以下はQO拒否
ニック・カステヤーノス
レッズからフィリーズ
カルロス・コレア
アストロズからツイン
拒否⇒アストロズと再契約
フレディ・フリーマン
ライセル・イグレシアス(エンゼルス)
拒否⇒エンゼルスと再契約
ロビー・レイ(ブルージェイズ)
拒否⇒マリナーズと契約
拒否⇒タイガースと契約
コリー・シーガー(ドジャース)
拒否⇒レンジャーズと契約
クリス・テイラー(ドジャース)
拒否⇒ドジャースと再契約
拒否⇒レンジャーズと契約
トレバー・ストーリー
ノア・シンダーガード(メッツ)
拒否⇒エンゼルスと契約
マイケル・コンフォート(メッツ)移籍先未定
※コンフォート以外は今季所属チームが決定
クオリファイング・オファーとは?
この制度は、無償でFA選手の不公平な流出を防ぐために2012年から導入された。
その年の年俸上位125選手の平均額を規定額とし、球団からの提示を拒否したFA選手を獲得した他球団は翌年のドラフト上位指名権を元所属球団に譲渡するという規定がある。
有力選手が多いのでQO提示選手の動向は、移籍市場に影響を及ぼすことが多い。1年短期の契約のため、一旦は拒否して複数年契約を結ぶ選手が多い傾向がある。
2012年より導入された制度だが、2021年までQOを提示された選手は110人で、受け入れた選手はわずか11人しかいない。
日本人選手ではヤンキースの黒田が2012年と13年に球団の提示を拒否した後、規定額より高い年俸で再契約し、マリナーズの岩隈久志は2015年に提示を拒否した結果、規定額より低い年俸で合意している。
提示された選手はFA契約の足かせになることが多かったが、その後の機構側と選手会の労使協定で緩和され、レベニュー・シェアリングの対象チームは、「上位3番目のドラフト指名権」を失うといった内容に変更され、多少は縛りが緩和された。
また、シーズン途中に移籍した選手や過去に提示された選手は対象外になることも決められた。
■シーズン途中の移籍選手はQOの制約なしにFA市場に!
その改定された規約により、シーズン途中に移籍した選手は対象外となるため、昨年もスターリング・マーテイ、クリス・ブライアント、ハビアー・バイエズ、アンソニー・リゾ、カイル・シュワーバーといった有力選手たちはQOを提示されることなくFA市場で各球団と制約なしで交渉できる。
昨年の労使交渉でこの制度は廃止の方向で動いていたが、結局は今季もこの制度が残った。
年度別のQO提示額
- 2012-13年度: $13.3MM(1330万ドル)
- 2013-14年度: $14.4MM
- 2014-15年度: $15.3MM
- 2015-16年度: $15.8MM
- 2016-17年度: $17.2MM
- 2017-18年度: $17.4MM
- 2018-19年度: $17.9MM
- 2019-20年度: $17.8MM
- 2020-21年度: $18.9MM
- 2021-22年度: $18.4MM
- 2022-23年度: $19.65MM