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【MLB契約情報】クオリファイング・オファーを提示されそうな選手たち

 

フリーエージェント(FA)選手たちの足かせになるクオリファイング・オファー(QO)だが、メジャーリーグ機構は、2020年オフのQO提示額を1890万ドル(約20億円)に決定したようだ。「ジ・アスレチック」が伝えている。

 

 

MLB移籍情報

 

今季のQOは1890万ドルに決定

 

QOの金額は、年俸上位125選手の平均によって定められることになっている。昨年は初めてダウンして10万ドル低い水準だったが、今季は昨年オフの1780万ドルから110万ドルのアップとなった。

 

ただ、今季はコロナ禍でのシーズン開催となり、大幅な収益損失が発生した球団も多いため、年俸1890万ドル(1年契約)に値するか微妙なラインの選手に同オファーを提示することを躊躇する球団が現れることも予想される。

 

この制度は、シーズン終了後にフリーエージェント(FA)になる選手に対し、所属球団が優先的に翌年の1年契約を規定額でオファーできる制度。 提示を受けた選手たちは10日間以内にオファーを受諾するか否かを決断しなければならない。

 

また、QOを拒否された球団は、選手が流出する保証としてQO拒否選手と新たに契約を結ぶチームからドラフト指名権が譲渡され、最低でもドラフト指名権を1つ失うことになる。

 

労使協定(Collective Bargaining Agreement)が、新たに2017年-21年の5年間にわたり、MLB機構側と選手会の間で結ばれ、それに伴いQOのルールも変更された。以前なら1巡指名権を失っていたが、新しい労使協定では様々な条件によって失うドラフト指名権の内容が変わった。

 

提示された選手が拒否した場合はQO拒否がその選手のFA交渉の足かせになり、不利になる場合が多かったが、新しい労使協定では、それもやや緩和された。この制度が導入されて以降、延べ80人の選手がオファーを受けてきたが、受諾した選手はわずか6人だけ。

 

なお、シーズン中にトレードされた選手および以前にQOを提示された選手は、除外されるという規定があるため、下記の選手は、この制度の制約を受けない。

 

このため2014年オフにオリオールズからQOを受けたネルソン・クルーズ(ツインズ)、2016年オフにドジャースかQOを受けたジャスティン・ターナードジャース)、昨年オフにカージナルスからQOを受けたマーセル・オズーナブレーブス)らは今オフ、QOを受けることはない。

 

 

過去にQOを提示された選手

 

ダラス・カイケル(ブレイブス)、エドウィン・エンカーナシオン(ヤンキース)、柳賢振(ブルージェイズ)、ラッセル・マーティン(ドジャース)、ヤスマニ・グランダル、マイク・ムスターカス(ブルワーズ)、ハウィー・ケンドリック(ナショナルズ)、マット・ウィータース(カージナルズ)、アレックス・ゴードン(ロイヤルズ)、ブレット・アンダーソン(アスレチックス)

 

 

2019年オフにQOを提示された選手

 

ゲリット・コール

アストロズ

 

ジョシュ・ドナルドソン

ブレーブス

 

マーセル・オズーナ

カージナルス

 

マディソン・バムガーナー

ジャイアンツ)

 

ウィル・スミス

ジャイアンツ)

 

ザック・ウィーラー

(メッツ)

 

アンソニー・レンドン

ナショナルズ

 

ティーブン・ストラスバーグ

ナショナルズ

 

ジェイク・オドリッジ

(ツインズ)

 

ホゼ・アブレイユ

ホワイトソックス

 

 

2020年オフにQOを提示されそうな選手

 

J・T・リアルミュート

フィリーズ

 

トレバー・バウアー

(レッズ)

 

ジョージ・スプリンガー

アストロズ

 

D.J.ルメイヒュー

ヤンキース

 

アンドレルトン・シモンズ

エンゼルス

 

田中将大

ヤンキース

 

 

 

 

MLB公式サイトによればマーカス・セミエン(アスレチックス)、ケビン・ゴーズマンジャイアンツ)、マーカス・ストローマン(メッツ)、アンドレルトン・シモンズエンゼルス)、ディディ・グレゴリアスフィリーズ)は、提示されるかどうか微妙だということだ。

 

注目のヤンキースFAの田中将大に関してもQOを提示される可能性も考えられる。

 

この制度の最初のシーズンは、黒田博樹を含む9名の選手が提示を受けて提示額は1330万ドルだった。これまで90名が提示され、ほとんどが拒否。受け入れたのは6名だけ。

 

 

 

▽参考記事

 

www.mlb.com