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【MLB契約情報】QO提示5人は拒否の可能性大、1人は微妙

 

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クオリファイング・オファー、今季は6名と例年より少なめの提示

 

 11月2日の記事で紹介したが、メジャーリーグ機構は、20年オフのクオリファイング・オファー(QO)の提示額を1890万ドル(約20億円)に決定。今季は下記の6選手がQOを提示された。

 

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QO提示の選手たち

トレバー・バウアー, Reds

ケビン・ゴーズマン, Giants

D.J.ルメイヒュー, Yankees

J.T.リアルミュート, Phillies

ジョージ・スプリンガー, Astros

マーカス・ストローマン, Mets

 

 

QOプレイヤーは争奪戦にも影響

 

 QOを提示された選手たちは主力級の選手たちで、その動向が各球団の争奪戦にも影響することから、ここまでの状況を整理して追跡していきたい。

 

 この制度は、12年から始まった制度でMLBトップ125選手の平均年俸で提示額が決められ、拒否した選手には他球団と契約時にドラフト権の譲渡などが生じ、QO提示選手たちの足かせになる制度だった。(その後、規定が変わりやや緩和された)

 

 コロナ禍での短縮シーズン開催となった今季は、各球団とも大幅な減収が発生しており、年俸1890万ドル(1年契約)に値するか微妙なラインの選手に同オファーを提示することを躊躇する球団が現れることも予想された。案の定、提示選手は6名と少なめだった。 

 

 

 MLB.comの記事によると、このうちトレバー・バウアー代理人を通して同オファーを拒否。D.J.ルメイヒュー(ヤンキース)、J.T.リアルミュート(フィリーズ)、ジョージ・スプリンガーの3選手は提示を拒否する可能性が高いらしい。

 

 

 そのほかの2人。メッツの先発右腕マーカス・ストローマン新型コロナウイルス感染への懸念から、今季は出場を辞退して1球も投げていない。彼は19年にブルージェイズで21試合に先発して防御率2.96をマークし、19年7月下旬のトレード期限にメッツへ移籍。

 

 メッツ移籍後は11先発で防御率3.77と平凡なパフォーマンスだったが、メッツはジェイコブ・デグロームとデービッド・ピーターソンの2人しか計算できる先発投手がいないため、先発ローテの補強が急務。スティーブ・コーエン氏を新オーナーに迎えて「新規オープン」の大型補強も考えられる。

 

 仮にメッツが同オファーを拒否されて他球団へ流出した場合でもドラフトでの補償指名権を得ることもできる。メッツにとって、ストローマンへ同オファーを提示するのは非常に理にかなっている。

 

 そうした状況の中、今のところストローマンは同オファーを拒否してフリーエージェント市場に出る可能性が高いと見られている。

 

 

ゴーズマンの判断は微妙、受け入れる可能性もあり

 

 ジャイアンツから提示された先発右腕ケビン・ゴーズマンは、今季提示された6人の中で最も難しい選択を迫られているとMLB公式サイトではみている。

 

 20年900万ドルの契約だった29歳のゴーズマンへの1890万ドル提示はサプライズだった。通算50勝66敗、キャリア8年間の通算防御率4.26。これまでの実績といえば17年のオリオールズでの11勝(12敗)が最高だったからだ。ただ、今季の防御率3.62、FIP3.09はキャリアハイだった。

 

 提示を受けた選手たちは10日間以内にオファーを受諾するか否かを決断しなければならない。この制度が導入されて以降、延べ96人の選手がオファーを提示されてきたが、受諾した選手はわずか8人だけ。昨年は10名が提示され2名が受託した。

 

 なお、シーズン中にトレードされた選手および以前にQOを提示された選手は、除外されるという規定がある。

 

 

▽Information source

 

m.mlb.com