MLB2021-22
クオリファイング・オファー(QO)選手の動向
ロックアウト中のMLBだが、1840万ドル(1年契約)になった今オフのクオリファイング・オファー(QO)選手の動向を追跡してみた。
今オフは、14人の選手にQOが提示された。回答期限が過ぎて14人の動向が明らかになり、13人が拒否、1人だけが受託した。拒否した選手達がその後、どうなっているのかも注目だ。
ジャイアンツのベルトだけが受託
昨年の6名提示に比べ大幅に増えた今季のQO選手だが、提示された選手のうちで、ブランドン・ベルトだけが受諾してジャイアンツに残留することを選択した。
残りの13人は拒否してフリーエージェント(FA)市場の注目選手になった。
ここでも何度か紹介しているが、この制度が導入された2012年以降、同オファーを提示された110人のうち受諾したのは10人だけ。ベルトが11人目。
33歳のベルトは今季、打率.274、本塁打29、打点59、OPS.975をマークしたが、負傷者リストに3回も登録されて97試合の出場にとどまり、拒否しても年齢的にも健康上の理由からも好条件の複数年契約は得られることはできないと判断したのだろう。1年契約のQOを受け入れた。
MLB2021 クオリファイング・オファー提示の14選手
ブランドン・ベルト(ジャイアンツ)⇒受託
▼以下はQO拒否
ニック・カステヤーノス(レッズ)移籍先未定
カルロス・コレア(アストロズ)移籍先未定
拒否⇒合意
フレディ・フリーマン(ブレーブス)移籍先未定
ライセル・イグレシアス(エンゼルス)
拒否⇒エンゼルスと再契約
ロビー・レイ(ブルージェイズ)
拒否⇒マリナーズと契約
拒否⇒タイガースと契約
コリー・シーガー(ドジャース)
拒否⇒レンジャーズと契約
クリス・テイラー(ドジャース)
拒否⇒ドジャースと再契約
拒否⇒レンジャーズと契約
トレバー・ストーリー(ロッキーズ)移籍先未定
ノア・シンダーガード(メッツ)
拒否⇒エンゼルスと契約
マイケル・コンフォート(メッツ)移籍先未定
※選手名の後は今季所属チーム
アストロズのジャスティン・バーランダーはQOを拒否した上で、アストロズがさらに1840万ドルを2500万ドルに増額して1年プラス2年目は選手オプションで再契約。来季以降もアストロズに残留することが報じられていたが、球団から正式に契約したという発表はない。
メッツのノア・シンダーガードはエンゼルスと1年2100万ドルで合意。エドゥアルド・ロドリゲスはタイガースと5年契約で正式契約している。
エンゼルスも守護神のライセル・イグレシアスにQOを提示していたが、4年5800万ドルで(無事に)再契約した。再契約といえばドジャースもクリス・テイラーと4年6000万ドルで再契約して貴重な戦力の流出を阻止した。
レンジャーズが大型契約連発
コリー・シーガーは、10年3億2500万ドルという長期契約でレンジャーズと合意。これは史上6位タイの大型契約だった。レンジャーズはマーカス・セミエンとも7年1億7500万ドルで契約。テキサスの新二遊間コンビが楽しみだ。
一方で カルロス・コレア、トレバー・ストーリーらの注目された遊撃手は移籍先が決まっていない。外野手でもメッツのマイケル・コンフォートや レッズのニック・カステヤーノスも未定のままだ。
この二人の外野手の動向は、ポスティングでメジャー移籍に挑戦する鈴木誠也の争奪戦にも影響してくるのでロックアウト解除後は注目だ。
若くでQO拒否によるドラフト指名権の喪失などがない鈴木の方が獲得した後のデメリットが少ないので、メジャーで1打席も立っていないとはいえ鈴木誠也と契約したほうが良いような気がする。