今オフのクオリファイング・オファー(QO)は昨年と同数の14人の選手に提示された。QOを提示された選手は、今後10日以内に同オファーを受諾するか拒否するかを決めなければならない。
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クオリファイング・オファー(QO)提示選手の動向に注目!
何度か紹介したが、今オフのQO提示額は1965万ドル(約27億9500万円)。14名の中には、すでにメディアの報道で話題になっていたヤンキースのアーロン・ジャッジやメッツのジェイコブ・デグロムも含まれている。
一方で、QO提示されなかった主な選手としてクレイトン・カーショー(ドジャース)、タイワン・ウォーカー(メッツ)、J.D.マルティネス(レッドソックス)、ジェイムソン・タイオン(ヤンキース)らがいる。
■クオリファイング・オファーを提示された14選手
ダンズビー・スワンソン(ブレーブス)
ウィルソン・コントレラス(カブス)
タイラー・アンダーソン(ドジャース)
ジョク・ピーダーソン(ジャイアンツ)
カルロス・ロドン(ジャイアンツ)
クリス・バシット(メッツ)
ジェイコブ・デグロム(メッツ)
ブランドン・ニモ(メッツ)
マーティン・ペレス(レンジャーズ)
ザンダー・ボガーツ(レッドソックス)
ネイサン・イオバルディ(レッドソックス)
アーロン・ジャッジ(ヤンキース)
※選手名の後は今季所属チーム
Players receiving $19.65M qualifying offer … Tyler Anderson Chris Bassitt Xander Bogaerts Willson Contreras Jacob deGrom Nate Eovaldi Aaron Judge Brandon Nimmo Joc Pederson Martin Perez Anthony Rizzo Carlos Rodon Dansby Swanson Trea Turner
— Jon Heyman (@JonHeyman) November 10, 2022
クオリファイング・オファーとは?
メジャーリーグファンの方ならご存じの方も多いと思うが、この制度は、せっかく育てた選手をFA制度で簡単に流出してしまう事を防ぐために2012年から導入された制度。
提示額の設定は、その年の年俸上位125選手の平均額を規定額としている。
球団からのQO提示を拒否した選手を獲得した場合、獲得球団は翌年のドラフト上位指名権を提示球団に譲渡しなければならず、不公平な流出を防ぐために、多少は元の所属球団にメリットがあるように考え出された。
ただし、1年だけの契約で、QO提示を拒否して複数年契約を結ぶ選手が多い。
その動向は、移籍市場に影響を及ぼすことが多い。昨季までQOを提示された選手は110人で、受け入れた選手はわずか11人しかいない。
日本人選手ではヤンキースの黒田博樹が2012年と13年に球団の提示を拒否した後、規定額より高い年俸で再契約し、マリナーズの岩隈久志は2015年に提示を拒否した結果、規定額より低い年俸で合意している。
昨年の労使交渉では、選手会側は廃止を要求していたが、国際ドラフトと共に廃止決定が先送りされ今季も存続している。
ただし、この制度もその後の機構側と選手会の労使協定で多少は緩和されて以前ほどデメリットは少なくなったように感じる。
また、シーズン途中の移籍選手は対象外で、球団側が提示できるのは1回だけに制限され、過去に提示された選手は対象外になることも決められており、今オフではジョシュ・ベル(パドレス)、アンドリュー・ベニンテンディ(ヤンキース)、ホセ・キンタナ(カージナルス)らがそれに該当する。