本格的に移籍市場が動き出す前にいくつかの球団のスタッフ人事を紹介したい。
MLB球団人事
アストロズはダスティ・ベイカー監督続投
アストロズはダスティ・ベイカー監督、ジェームス・クリックGMとも1年契約を結ぶ方針を固めているようだ。
まだ正式決定ではないようだが、さすがにワールドシリーズ優勝監督を高齢とはいえその直後に勇退させるのは残忍だろう。
監督として2000勝、自身初のワールドシリーズ制覇を成し遂げ、アメリカ四大スポーツ史上最高齢の優勝監督となったベイカー。メディアによると引き続きアストロズを率いることに意欲を示しているという。
監督としての実績もさることながら「サイン盗み問題」でバッシングを受ける球団や選手たちを上手く掌握し、華々しい結果を出しているマネージャーとその人を招聘したGMをこのタイミングで解任することは考えられないことなので当然の人事と言えるだろう。
エンゼルスのコーチ陣が新体制
メジャーリーグ公式サイトの発表では、エンゼルスの2023年コーチ陣の顔ぶれがほぼ決定したようだ。
フィル・ネビン監督代行が正式監督に就任したエンゼルスは解任した打撃コーチらの後任人事を発表した。
エンゼルスの新任コーチ
打撃コーチ マーカス・テームズ
打撃コーチ補佐 フィル・プランティアー
投手コーチ補佐 ビル・ヘゼル
テームズ氏とネビン監督とは、ヤンキースのコーチ時代の同僚。プランティアー氏はパドレスやヤンキースのマイナー組織で打撃コーチを務め、2021年から今季まではマーリンズのマイナーで打撃コーチを務めていた。
両氏ともネビン監督のヤンキース三塁コーチ時代の同僚ということで、ネビン監督が信頼できる仲間たちで固めた「ネビン体制」ということになったようだ。
なお、投手コーチのマット・ワイズ、ベンチコーチのレイ・モンゴメリー、一塁ベースコーチのデーモン・マショア、捕手コーチのビル・ハセルマンは留任。
これまで三塁ベースコーチだったマイク・ガイエゴ、投手コーチ補佐のドム・チティ、打撃コーチ補佐のポール・ソレントは球団組織内の配置転換により、コーチの職から離れた。
「ドライブイン」からも招聘
この中で注目は、投手コーチ補佐のビル・ヘゼル氏だろう。彼はスポーツアナリティクスや動作解析を基軸に2012年に設立されたトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」出身。
同施設からは、すでに20人以上の人材がメジャー各球団に引き抜かれ、初の女性監督として今季からヤンキースの1Aタンパで指揮を執るレイチェル・バルコベック氏もその1人だ。
ヘゼル氏も2020年から「ドライブライン」の投手ディレクターを務め、2020~21年にはフィリーズの投手コンサルタントとしてメジャー球団にも関わっていた。
大谷翔平やパトリック・サンドバル投手など、エンゼルスの中にも同施設に通う選手もおり球団あげて大谷らをサポートする体制のようなスタッフが加わり、来季は多少は期待できるかもしれない。