MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

乱闘エンゼルス 12人が出場停止処分後に連勝

 

現地時間6月27日(日本時間28日)、メジャーリーグ機構は前日の乱闘騒ぎを受けてエンゼルスマリナーズのメンバー合計12人への処分を発表した。

 

 

MLB2022

 

 

エンゼルスのフィル・ネビン監督代行がアンドリュー・ワンツ投手に指示を出して故意にマリナーズジェシー・ウィンカーに死球を与えたことに対して10試合の出場停止処分が科された。

 

ワンツは初回にロドリゲスの背中側を通るボールを投げたことで警告試合を宣告されていた。

 

しかし、2回無死で、もう一度ウィンカーの臀部付近に死球を与え、これが大乱闘に発展した。

 

 

 

 

メジャーでは乱闘騒ぎが多いので、とくに珍しいことではないが、今回のきっかけは、前日25日(同26日)の9回にトラウトが頭部付近の投球を受けてヒヤリとする場面があり、その投球が今回の “伏線” となったという論調が多い。

 

そしてネビン監督代行は、この日の試合で先発予定だったホセ・スアレス投手ではなく、オープナーとしてリリーフ右腕のワンツを先発に起用。中継を見ていて「ブルペンデー」のオープナー起用なのかと不思議だった。

 

しかし、機構はこれを故意死球と認定。ワンツは故意死球のためにオープナーに起用されたと判断され、その選手起用を行ったネビン監督代行には10試合もの出場停止処分が科されることになった。

 

 

出場停止処分が科されたエンゼルスの面々

 

フィル・ネビン監督代行⇒10試合

アンドリュー・ワンツ⇒3試合

アンソニー・レンドン⇒5試合

ドム・チティ投手コーチ補佐⇒5試合

ライアン・テペラ⇒3試合

ライセル・イグレシアス⇒2試合

レイ・モンゴメリーベンチコーチ⇒2試合

マニー・デル・カンポ通訳⇒2試合

ビル・ハセルマン捕手コーチ⇒1試合

 

選手には異議申し立ての権利があるため、異議申し立て中は確定するまで試合に出場できるが、監督、コーチ陣は異議申し立てができない。

 

事実、翌日のホワイトソックス戦はテペラが投げていた。

 

右手首の手術を終え右手のギブスが痛々しかったレンドンも騒ぎに参加していたのはSNSなどで話題になった(おいおい、あんたは負傷中だろ)。

 

レンドンには負傷者リストから復帰後に5試合の出場停止が適用され、別に7試合のチーム帯同禁止処分が科されているということだ。

 

一方、マリナーズからはウィンカーが7試合の出場停止のほか、J.P.クロフォードが5試合、フリオ・ロドリゲスが2試合の出場停止に。

 

ワンツ投手は「あんなことになるとは思ってもいなかった。自分は先発することに集中していて、そのことしか考えていなかった」と振り返った。

 

当日だけで8人が退場、その後に12人に出場停止が科せられる事態に発展した今回の乱闘劇

 

14連敗するなどフラストレーショ溜まっていたいたのは分からないでもない。ファンも溜まっていた。

 

両監督が退場するなど序盤から異常事態となったが、チームは7回に逆転勝ち。ワンツの言葉を借りれば「僕らが団結し続けることの表れにもなっただろう。一致団結してプレーすれば、いいことが起きるものだ」ということで、エンゼルスは次の試合も1点差勝ちした。

 

乱闘騒ぎが功を奏したとは思わないが、大人しい選手が多いエンゼルス。これがきっかけで浮上すれば面白い。

 

 

 

 

しかし、負傷中でも乱闘には元気に参戦するレンドン。そんな元気があるなら早く治して復活して欲しい。

 

連勝したエンゼルスだが、また、負けだすだろう。選手層は薄い。7月前半には強豪アストロズにスイープされるかもしれない。

 

オールスターブレイク前にアストロズと6試合、ドジャースとも2試合。ほかに東海岸遠征でブレーブスなど7月は強豪と対戦するので、夏のトレード期限前に一気に下位が確定して「売り手」になることだけは避けたい。