MLB メジャーリーグ物語

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クオリファイング・オファーは12人が拒否!ペレスとピーダーソンが受託

 

現地15日(日本時間16日)、クオリファイング・オファーの返答期限を迎え、提示を受けていた14人のうち2人が受託、12人が拒否した。

 

 

MLB移籍情報

 

クオリファイング・オファー(QO)12人が拒否!

 

何度か紹介したが、今オフのQO提示額は1965万ドル(約27億円)で過去最高額。

 

 今オフ注目のアーロン・ジャッジヤンキース)やジェイコブ・デグロム(メッツ)ら12人は予想通りQO提示を拒否した。

 

このオファーに関しては、これで124人の選手が提示され大多数の選手たち(111人)が拒否している。

 

 

ペレスとピーダーソンが受託

 

今季提示を受けた14人の中では、ジョク・ピーダーソンジャイアンツ)とマーティン・ペレス(レンジャーズ)の2人がQO提示を受諾して来季の残留が決まった。

 

受託したペレスは来年4月に32歳になる。今季、単年400万ドルの契約で4年ぶりに古巣レンジャーズに復帰。

 

2014年以来の被本塁打率0.5とキャリアハイの奪三振率7.7をマークして32試合で196.1イニング、防御率2.89、FIP3.26。メジャー11年目で初のオールスター選出を果たした。

 

400万ドルという年俸から見てもわかるようにこれはサプライズな活躍で、レンジャーズの弱い先発ローテーションの中核として活躍した。

 

レンジャーズファンしか興味がないと思うが、昨日も紹介したようにペレスに関してはQO受託の予測報道も流れていた。

 

QOは単年契約なので、受け入れても来季の活躍次第では、QOの制約がない状態で来季以降に大きな契約が期待できるので、彼の場合は賢明な判断だった気がする。

 

30歳のピーダーソンは、昨年ブレーブスワールドシリーズ優勝を経験。オフにオプションを破棄しFAに。ロックアウトが長引いて移籍先が決まらず3月中旬にジャイアンツとようやく600万ドルで契約。

 

ジャイアンツへ移籍した今季134試合に出場して打率.274、23本塁打、70打点、OPS.874をマーク。

 

右腕に強い典型的な2プラトーン選手だが、今季も右腕に対して期待通りの21本塁打OPS.894を記録した。

 

個人的にはドジャース在籍時のイメージが強い選手だが、ジャイアンツから提示された1965万ドルのQOを受諾し、来季のジャイアンツ残留が決まった。

 

 

 

 

■クオリファイング・オファー14選手の返答結果

 

QOに関しての返答結果は下記で確認してほしいが、リゾやアンダーソンに関しては動きがあったようだ。

 

 

 

ダンズビー・スワンソン(ブレーブス)拒否

ウィルソン・コントレラス(カブス)拒否

タイラー・アンダーソン(ドジャース)拒否

トレイ・ターナードジャース)拒否

 ジョク・ピーダーソン(ジャイアンツ)受託

 カルロス・ロドン(ジャイアンツ)拒否

 クリス・バシット(メッツ)拒否

 ジェイコブ・デグロム(メッツ)拒否

 ブランドン・ニモ(メッツ)拒否

 マーティン・ペレス(レンジャーズ)受託

 ザンダー・ボガーツ(レッドソックス)拒否

 ネイサン・イオバルディ(レッドソックス)拒否

 アーロン・ジャッジ(ヤンキース)拒否

 アンソニー・リゾ(ヤンキース)拒否

※選手名の後は今季所属チーム

 

 

リゾがヤンキース残留へ 2年4000万ドル+オプション1年で再契約

 

アンソニー・リゾはヤンキースからのQO提示を拒否した上で2年総額4000万ドルと3年目は球団オプションの1700万ドル(バイアウト600万ドル)の複数年契約に合意した。

 

これでリゾは最低でも2年4000万ドル、最大で3年5100万ドルを手にすることができる。

 

この契約に関してはいろんな意味でビッグニュースなので後日、時間があれば紹介したい。

 

また、ドジャースのQOを拒否した先発左腕タイラー・アンダーソンもエンゼルスと契約した。

 

左投手ばかりを増やして変なローテーションだが、年平均1300万ドルは手頃な契約で高くない買い物だ。

 

ドジャースのように15勝はできないかもしれないが、160イニング以上投げて防御率3点台なら安い契約と言える。

 

 

 

クオリファイング・オファー(QO)とは?

 

メジャーリーグファンの方ならご存じの方も多いと思うが、この制度は、せっかく育てた選手をFA制度で簡単に流出してしまう事を防ぐために2012年から導入された制度。

 

提示額の設定は、その年の年俸上位125選手の平均額を規定額としている。

 

球団からのQO提示を拒否した選手を獲得した場合、獲得球団は翌年のドラフト上位指名権を提示球団に譲渡しなければならず、不公平な流出を防ぐために、多少は元の所属球団にメリットがあるように考え出された。

 

ただし、1年だけの単年契約で、QO提示を拒否して他球団と複数年契約を結ぶ選手も多い。

 

その動向は、移籍市場に影響を及ぼすことが多く昨季までQOを提示された選手は110人で、受け入れた選手はわずか11人しかいなかった。 


日本人選手ではヤンキース黒田博樹が2012年と13年に球団の提示を拒否した後、規定額より高い年俸で再契約し、マリナーズ岩隈久志は2015年に提示を拒否した結果、規定額より低い年俸で合意している。 


 昨年の労使交渉では、選手会側は廃止を要求していたが、決定が先送りされ今季も存続している。

 

ただし、この制度もその後の機構側と選手会の労使協定で多少は緩和されて以前ほど拒否した選手のデメリットは少なくなったように感じる。
 
また、シーズン途中の移籍選手は対象外で、球団側が提示できるのは1回だけに制限され、過去に提示された選手は対象外になることも決められている。

 

今オフではジョシュ・ベルパドレス)、アンドリュー・ベニンテンディヤンキース)、ホセ・キンタナカージナルス)らがそれに該当する。