MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

開幕延期の大リーグ「162試合開催か?」「短縮シーズンか?」デッドラインは1日延期

結局は「金銭問題」が最後までネックになっているようだ。しかし考えてみればそれが本来の労使交渉で、プロリーグだから仕方がないかもしれない。ファンは諦めて見ているしかない。

 

MLBのCBA情報

 

 

メジャーリーグ機構側が選手会に対して通告していたレギュラーシーズンの「162試合開催」と、フルシーズン分の年俸保証、フルサービスタイムを保証するとしていたタイムリミットは16時間に及ぶ交渉末、合意には至らず1日延期された。

 

ここまでくれば選手会も納得するまで話し合えばいい。開幕は5月でも7月でもファンは待つしかない。オーナー達も収益減。選手たちもサラリーダウンという痛いしっぺ返しを受ければいい。

 

一応、この時点での両社の提案を整理したい。上原浩治もテレビ番組でコメントしていたように「要はお金の問題だ」。ここでも何度か書いたが、ポイントは収益の分配方法。

 

「最低保証年俸」に関しては、機構側が今季70万ドル、5年目の2026年には77万ドルという案を提示。選手会の希望額77万5000ドルに近づいてきた。昨年は57万500ドルだったので、それと比べるとアップしたと捉えてもいいだろう。

 

ぜいたく税の上限ラインに関しては機構側が今季2億3000万ドルからスタートし、5年目の2026年には2億4200万ドルまで引き上げるという案で、選手会の今季2億3800万ドルから2026年は2億6300万ドルというラインに歩み寄ったように感じる金額だ。

 

これも選手会は当初から2億4500万ドルからスタートしていくラインを希望していた。

 

新設される方向で合意している年俸調停前の選手たちに配る「調停前ボーナスプール」については、最も大きな差があったもののここへ来て機構側が毎年4000万ドルを提案。

 

これに対し選手会側も当初の1億ドルを超える要求から譲歩して最初は8000万ドルからスタートするとしていたものを7000万ドルスタートまで引き下げる可能性があることが報じられている。

 

しかしながら、この「調停前ボーナスプール」は依然として差があるのも事実だ。

 

さらに、国際ドラフトの問題も浮上しており、総合的に俯瞰して見れば電撃合意はなさそうな雰囲気で、開幕はさらに延期されて5月開催も現実味が出てきた。

 

選手会は若い選手に対する待遇改善を一貫して要求しており、 MLB選手会の8人からなる代表委員の1人でもあるマックス・シャーザーは、かつて『The Athletic』にこう語っていた。

 

「CBA(包括的労使協定)が競争の問題と若い選手の報酬を完全に解決しようとしない限り、私はそれに署名しない」。

 

しかし、この部分でも選手会は「スーパー2」の拡大を取り下げるなど譲歩している。機構側(オーナー側)も3年間はただ働きみたいな考えは捨てて選手会の意向を汲んで若手の待遇改善を積極的に進めるべきだろう。