MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

MLBとMLBPAの年俸交渉 高額選手ほど厳しい削減案に

新型コロナの感染拡大の影響で開幕が大幅に遅れているメジャーリーグだが、7月4日(日本時間5日)の開幕予定日にむけて機構側(MLB)と選手会(MLBPA)の条件面での折衝はMLBが選手たちの年俸削減案を具体的に提出したことによって第2フェーズに入ったようだ。

 

MLBとMLBPAの年俸交渉

 

短縮シーズン案は可決

82試合の短縮シーズン案は、オーナー会議で可決されたが、金銭面での交渉は続いていた。というのも3月の段階ですでに試合数に比例して年俸を削減することで合意していたからだ。

 

試合数が半数になれば年俸は比例して半額になる案は合理性もあるし、選手側からすれば分かりやすい。

 

ところが今回提出された案は、そこからさらにカットされていることから選手会も簡単には承諾できない。ファングラフスのコラムニストであるジェイソン・コレットが具体的な削減額と削減率を一覧表にまとめている。

 

 

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その表を見ると、高額選手ほど削減率がアップしているのが分かる。1年3500万ドル(約37億6000万円)を超える選手はメジャーで6人しかいないが、彼らは本来受け取るはずだった額の22・4%。3月に合意した案に対して44・8%にあたる7億8400万ドル(約8億4200万円)しか支払われないことになる。

 

以下、表を見ていただけるとわかりやすいが、

 

2000万ドル(約21億5000万円)は、515万ドル(約5億5000万円)。

1000万ドル(約10億7500万円)は、295万ドル(約3億1700万円)。

100万ドル(約1億750万円)は、43万4000ドル(約4700万円)になる。

 

 

AP通信の調査では、3月28日の時点で今季の平均年俸は443万2530ドル。500万ドルとして計算しても本来支払われる予定の額の32・8%しか支払われないことになる。

 

早い話が、3月の合意時点から、さらに5割から6割カットされ、結局、契約の3割ぐらいしか支払われないことになる。今回提示されたプランに従えば、例えば球界最高年俸のマイク・トラウトエンゼルス)は1906万5843ドルを得るはずだったが約69.8%減の574万8577ドルとなる。

 

 

★MLB2020年シーズン年俸トップ10

 

1位 エンゼルス マイク・トラウト 3767万ドル

2位 ヤンキース ゲリット・コール 3600万ドル

3位 ナショナルズ マックス・シャーザー 3590万ドル

4位 ロッキーズ ノーラン・アレナド 3500万ドル

4位 ナショナルズ スティーブン・ストラスバーグ 3500万ドル

4位 アストロズ ザック・グレインキー 3500万ドル

7位 アストロズ ジャスティン・バーランダー 3300万ドル

10位 ドジャース デビッド・プライス 3200万ドル

10位 パドレス マニー・マチャド 3200万ドル

10位 ドジャース クレイトン・カーショー 3200万ドル

 

 

 

 

ジョン・ヘイマンは6月1日前後が交渉のデッドラインとしているが、6月10日のキャンプ再開、7月4日開幕にむけて、今後は、この金額面での折衝が続くと思われる。