メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会の新CBA(包括的労使協定)を巡る労使交渉は3月1日(日本時間3月2日)の交渉期限を過ぎても締結されず、レギュラーシーズンの開幕延期と短縮が正式決定してしまった。
MLB CBA情報
2月28日(同1日)の交渉後、翌3月1日午後5時(同2日午前7時)までタイムリミットを延長していたが、機構側の提案を選手会が拒絶。
9日連続の労使交渉も実らず、レギュラーシーズンの開幕は最短で日本時間4月8日、それに伴って春のオープン戦も最短で日本時間3月13日までにずれ込むことになった。
このままでは最悪の場合、130~140試合ぐらいの短縮シーズンになるかもしれない。
コミッショナーのロブ・マンフレッドは「我々はファン、選手、球団にとって悪い結果を避けるために懸命に働いた。合意に至らなかったのは双方の努力不足ではないことをファンの皆様に保証したい」と弁明みたいな無責任なコメントだが、そもそもコミッショナーとしての統制能力の欠如を指摘したい。
もともとMLB機構の顧問弁護士だったロブ・マンフレッドは、オーナーサイドのパペット(操り人形)のような存在でコミッショナーとしての調整能力や政治力がまったくない。早く解雇したほうがMLBのためだろう。
しかし、彼の首を切ったところで簡単にはこの事態は収集できない状態まで来ているのも事実だ。
ロックアウトは継続され、キャンプや契約関係の動きも止まったままだ。仮にいま、CBAが締結されてもFA契約などで開幕まで大混乱しそうだ。
ただ、「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリッチ記者によるとMLB選手会はアリゾナにトレーニング施設を準備。もう一つのキャンプ地であるフロリダでも同様のことをする準備しているという。
これは朗報だろう。とくに故障から復帰を目指してリハビリ中の選手にはありがたい配慮かも知れない。
合意したこと残っている争点
ロックアウト以降の労使交渉のなかで、ユニバーサルDHの導入やポストシーズンの出場枠の拡大、調停前ボーナスプールの創設などが合意されたものの最低保証年俸や総年俸に直接関係する「経済的な問題」は依然として双方の主張にギャップが大きい。
調停前の若手に支給するボーナスプール
特に新設される調停前ボーナスプールについては、お互いが徐々に譲歩したものの、それでも機構側が3000万ドル、選手会が8500万ドルまで要求を下げたが、依然として大きな開きがある。
最低保証年俸も争点
最低保証年俸も昨年の57万500ドルから63万~64万ドルにアップして67万5000ドルまで上がったものの選手会が最初から希望している77万5000ドルには程遠い額だ。
ぜいたく税の上限ライン
ぜいたく税の上限ラインも双方に大きな開きがある。詳細は昨日に紹介したので、その記事を参照していただきたい。
米上院議員サンダース氏がオーナー側批判「我々の国民的娯楽を奪われてはいけない」 https://t.co/gBbsbRt7qJ #mlbjp #MLB サンダース氏はニューヨーク州ブルックリン生まれでドジャースのファンだそうです。
— ニッカンMLB情報 (@MlbNikkan) March 3, 2022
このサンダースという議員は左派の共産主義者で警戒が必要な人物だが、この場合は批評も分かる気がする。
今年はNPB(プロ野球)のビッグボスに注目したい。そっちの方が面白そうだ。