MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

メジャーの労使交渉 期限を過ぎても合意せず1日延期

新CBA(包括的労使協定)を巡る米大リーグの労使交渉は、交渉期限を過ぎても締結されず、結局、期限を現地時間3月1日午後5時(日本時間3月2日午前7時)まで延長して引き続き行うようになった。

MLB CBA情報

8日間連続の開催となったメジャーリーグ機構(MLB)とメジャーリーグ選手会(MLBPA)の直接交渉は、ヤンキースのオーナーや選手会の代表者らがフロリダ州ジュピターに集まって午前10時から日付をまたいで16時間超の交渉が行われたが、合意には至らなかった。

ただ、この場合はデッドラインと言ってもMLB側が提示した「シーズン162試合開催」のための期限だったので、短縮の春キャンプやオープン戦で、混乱はするものの合意しなかった場合のデメリット(開幕をキャンセルした場合の収益減)を考えたらいくらでも延長できるということなのだろう。

複数の報道をまとめると最終日とされた時点で両者が譲歩して合意できそうな点は「プレーオフの出場枠拡大」で現行の10球団から12球団になるようだ。

MLB側は、複数の懸案事項をまとめたような妥協案を選手会に提示した。

選手会に対して提案通り14球団で行うのであれば最低保証年俸は70万ドルで、年俸調停前のボーナスプールに4000万ドル。

選手会が望む12球団のプレーオフなら最低保証年俸67万5000ドルで年俸ボーナスプールに2000万ドルという2案を提示した。

この提示により以前の最低保証年俸57万500ドルからアップして選手会が要求している70万ドル以上(当初は77万5000ドル)には開きがあるものの以前の提案だった63万ドルや64万ドルよりは増額した。

選手会はこの提案に対し②を採択して進めていくようだ。

さらに、両者が合意に向けて譲歩もあった。MLB側はぜいたく税の上限ラインを超過した際のペナルティを強化する案を取り下げた。

このペナルティが強化されると、球団は年俸や補強費を増加しない口実に使う。選手からすれば実質のサラリーキャップのようになる。

選手会も「スーパー2」制度の対象者を拡大する案を取り下げた。当初は100%だったが、70%から35%、それを取り下げた。これによって球団側の負担が多少は減る。

ただし、年俸調停前ボーナスプールは選手会が1億ドル以上を希望していたが、②を受け入れることによって2000万ドルになり、依然として差はある。

今後は「ぜいたく税」の取り扱いが最大の焦点

しかし、最大の争点となっているぜいたく税の対象となるペイロール上限ラインを今後5年間でどのように設定するかについてなどは、まだまだ歩み寄る必要があるようだ。

ぜいたく税のペイロール上限ラインは、機構側が2億2000万ドルを提示しているのに対し、選手会は2億3000万ドル以上(当初は2億4500万ドル)を希望。

MLB側は2022年2億1400万ドル、2023年2億1500万ドル、2024年2億1600万ドル、2025年2億1800万ドル、2026年2億2200万ドルを提示していたのに対し、選手会は2022年2億4500万ドル、2023年2億5000万ドル、2024年2億5700万ドル、2025年2億6400万ドル、2026年2億7300万ドルを提案している。

勝つための努力をしない「タンキング」。これをしている姑息な球団に関しては、完全ウェーバー制からNBAなどでも採用しているドラフトロッタリー制(ドラフト指名権抽選会)を導入する方向で進んでおり、今後は微調整で決着しそうだ。

スコット・ボラス氏の存在

期限切れ寸前まで選手会の戦いは続くと予想する。MLB選手会の8人からなる代表委員5人の代理人は、スコット・ボラス氏だ。

ボラス氏といえばギリギリまで粘って有利な条件を引き出す凄腕の代理人だ。

今回の交渉には前面には出なくとも助言はしているだろう。そうした点からも根拠は薄いかも知らないが、交渉はデッドラインの間際まで続くことは予想していた。その通りの展開になってきている。

すでに春季オープン戦の3日間がキャンセルされた。これ以上のロスは避けてほしい。ファンの楽しみを奪わないでほしい。

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