年俸の扱いを巡り労使が対立しているメジャーリーグ。スポーツ専門局ESPNによると現地15日、メジャーリーグ機構(MLB)が選手会(MLBPA)に対し、実施案が合意に至らなければ今シーズンを開催しない可能性を伝えたという。
ロブ・マンフレッド・コミッショナーは同日、米スポーツ専門局ESPNのインタビューで「残念ながら(公式戦開催の)確信はない」と語った。
BREAKING: MLB commissioner Rob Manfred tells @Espngreeny that he’s “not confident” there will be a 2020 baseball season. “Unfortunately," Manfred said, "I can’t tell you that I’m a 100% certain that’s gonna happen.”
News at @espn: https://t.co/h1I6Yh5R55
— Jeff Passan (@JeffPassan) June 15, 2020
MLBとMLBPAは現地13日、MLBPA側が、交渉の打ち切りを通告し、結局、「破談」という結果に終わり、事態の成り行きはマンフレッド・コミッショナーに委ねられた。USAトゥデイのボブ・ナイチンゲールは「メジャーリーグ機構は対案のオファーを行わない。ロブ・マンフレッド・コミッショナーの手に託された」と伝えていた。
当初、今季の開催に自信を見せていたMLBのマンフレッド・コミッショナーだが、強行開催した場合、選手会側が異議申し立てを行う姿勢を示したと主張し、「そうした不誠実な作戦をとる限り、前進することは難しい」と話した。
これに対してMLBPAのクラーク専務理事は声明を発表し、「マンフレッド氏は100%シーズンを開催すると言った約束をほごにし、今度は中止をちらつかせて脅してきた。選手たちはうんざりしている」と厳しく批判した。
6月も中旬が過ぎ、1カ月前に流れていた「6月10日キャンプイン、7月4日開幕案」は完全に消失した。もともと、オーナーサイドには大幅な減収が見込まれる今季は「損をしてまで開催しなくてもよい」という意見があることも事実で、場合によっては、準備不足やコロナの影響で今季は出場を辞退する選手も考えられ、来年のスプリング・トレーニングからチームに再合流することを選択する者も出てくることが予想される。
最悪の結果として、生活に余裕がある高額年俸の選手はロスター入りせず、若手や低年俸の選手を中心にした50試合以下の2020年になるかもしれない。
2021年シーズン終了後には新たな「労使協定」が締結される予定だが、MLBとMLBPAの対立は、それでなくても観客数の減少が顕著なメジャーリーグに悪影響を及ぼすにちがいない。
▽Information source
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061600289&g=bsb
http://www.mlb.jp/category/news/#34138