MLB機構と選手会の労使交渉
メジャーリーグ機構(MLB)が提案していた82試合の短縮シーズン案に対してメジャーリーグ選手会(MLBPA)は5月31日、114試合制を提案した。6月後半から7月4日前後の開幕に向けて逆算すれば今週が交渉のヤマ場を迎えることになる。
MLBは労使交渉がもつれ開幕がさらに遅れそうな事態に
MLBは7月上旬開幕の82試合制と、無観客に伴う収益減を見据えた大幅な年俸削減案を選手会に提示したが、選手会はそれを否定し、両者の溝は埋まらない状態が続いていた。
ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールとエバン・ドレイリックによると選手会側が対案を提示。試合数を6月30日から10月31日まで開催の114試合(162試合の70%)に増やす。
「年俸」は3月下旬に合意した内容で、開催試合数に比例して減給する案で、82試合が114試合に増えることにより、選手側に支払われる年俸が50%から70%に増える。スプリング・トレーニング再開前に1億ドルを支払う。
ポストシーズンが中止または短縮された場合のみ年俸1000万ドル以上の選手に対する給与の後払いを認めることなどを提案していること。
安全面では、新型コロナウイルスに感染リスクが高いと判断した選手は、試合参加を見送ることができるように選手会は選手側の権利を主張している。
今後は、さらに条件面でのすり合わせが行われるものと思われるが、昔はナショナル・パスタイム(国民的娯楽)と言われていたメジャーリーグだが、その地位はアメフトのプロリーグNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)に明け渡した感がある。
94-95年のストライキに続く25年ぶりの紛糾だが、今回は世界的なパンデミック、記録的な失業による大恐慌という背景がある。オーナー側と選手会のお互いが譲歩しなければファンはどう捉えるのだろうか?