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【MLB移籍情報】SFジャイアンツ 注目のバムガーナーの動向は?

フラッグディール・トレード情報

 

6月25日にも紹介したが、サンフランシスコ・ジャイアンツのエース左腕マディソン・バムガーナーのトレードは、18年オフから話題になっていた。MLB公式サイトでもすでに数回、噂として報じられてきた。

 

彼は、ポストシーズンの大一番にもめっぽう強いことから、10月戦線を見据えた補強を考える球団にとってはリストに入れておきたい選手だろう。

 

バムガーナーを語るときに残念なのは、17年4月の事故による離脱だろう。このブログでもその時に紹介したが、自己管理の甘さを指摘されても仕方がないシーズン中の事故でファンの期待を裏切った。

 

09年にデビューして以来、実質2年目になる11年から6年連続200イニング以上に登板。13年から16年にかけての4年間は防御率も2点台で、球界を代表する左腕として将来を嘱望された。毎年、サイ・ヤング賞候補としてノミネートされた。

 

しかし、あの事故以来、負のオーラが彼を包み込んだのか、18年もオープン戦で左手に打球を被弾。第5中手骨の骨折で、シーズン初登板が6月5日までずれ込んだ。

 

今季29歳という年齢から考えても17年の不注意からの離脱がなければ、最低でも5年1億ドル~1億2000万ドルぐらいの契約はすでに更新していただろう。

 

 

バムガーナー 

 

 

■どの球団への移籍がフィットするのか?

 

 

今季終了後にFAとなることもあり、下位に低迷するジャイアンツがシーズン終了までバムガーナーを残すことに大きなメリットはない。

 

バムガーナーは現在29歳で、ポストシーズンで8勝3敗、防御率2.11、87奪三振ワールドシリーズだけに限れば計5試合で36回を投げ防御率0.25で実績も十分。それでいて年俸は1200万ドルとリーズナブル。今季は19試合5勝7敗、防御率4.03、奪三振率9.27。

 

彼にとってもシーズン中にトレードされた場合には、クオリファイングオファーの対象とならないのでオフのFA市場での交渉に有利なことは間違いない。

 

MLBネットワークのケン・ローゼンタールによると、少なくともアストロズ、ツインズ、ブレーブス、ブルワーズの4球団がバムガーナー獲得に興味を示しているという。ブルワーズ、ブレーブスなどは喉から手が出るほど欲しい投手だろう。

 

とくにブルワーズは今季もカブスカージナルスと首位争いを演じ首位のカブスから0.5ゲーム差だ。ブルワーズの先発陣はMLB全体で19位(防御率)。左投手が一人もいない。

 

ナ・リーグ東部地区で首位のブレーブスは先発陣がMLB11位(防御率)。ダラス・カイケルを6月に獲得したが、ポストシーズンドジャースと対抗するためにも彼を追加したいところだろう。

 

上の4球団以外でもフィリーズナ・リーグ東部地区で首位争いを続けていたが、やや離されてブレーブスとは6.5ゲーム差。先発陣はMLB19位(防御率)。アーロン・ノラ、ジェイク・アリエッタの両右腕に左腕のバムガーナーを加えればバランスの取れた先発陣に生まれ変わる。

 

 

■問題はトレード拒否権

 

 

ただ、バムガーナーの契約には8球団のトレード拒否権が設定されている。その事はジ・アスレチックのケン・ローゼンタール氏が報じている。

 

 

それによるとブレーブスレッドソックスカブスアストロズ、ブルワーズ、ヤンキースフィリーズカージナルスの8球団で、ほとんどが、この夏にポストシーズンに向けて補強が予想される球団だ。

 

このバムガーナーのトレード拒否権は、行きたくない球団を指定したのではなく、今後の中長期契約を見据えた交渉を考えたもので、バムガーナー側が主導権を握って交渉できるように練られたリストのようだ。だから拒否権のリストに入っている球団とも本人がOKを出せば決まる可能性はある。

 

ツインズだけが拒否権リストに入っていない。ツインズは10勝を挙げているジェイク・オドリッジが10日間ILから復帰する予定で、先発投手より、どちらかというとブルペンが補強ポイント。同じジャイアンツでも救援投手のウィル・スミスの方がフィットしそうな気がする。