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【MLB移籍情報】この夏はカブスが「売り手」に!キンブレル放出?

夏のトレード・デッドラインまで残り4週間を切った。

 

そろそろ各球団とも自軍の位置(順位)を見ながら8月~9月のシーズン正念場や10月のポストシーズンに向けて足りない戦力を補強するのか、それとも今季は諦めて主力を放出して有力な若手を獲得していくのか、ゼネラルマネージャー(GM)以上の球団幹部が忙しくなってくる時期だ。

 

フラッグディール・トレード情報

 

MLB公式サイトのマーク・フェイサンドが紹介しているが、カブスジェド・ホイヤー編成本部長が7月末のトレード市場においてカブスが「買い手」ではなく「売り手」に回ることを明言したという。

 

あの6月下旬から7月上旬にかけての悪夢の11連敗がカブスの状況を変えたようだ。

 

カブスは、7月9日終了時点でナ・リーグ中部地区3位。首位ブルワーズとは9.5ゲーム差。勝率も5割を切ってワイルドカード枠でも同枠2位のパドレスとは8ゲーム差と厳しい状況だ。

 

どの地区も2位、3位の球団は、オールスターブレイク終了後の勝敗が極めて重要になってくるが、この状況(順位)を考えれば早くもホイヤー編成部長が白旗を上げたくなるのも分かる。

 

もともとカブスにとって2020年オフは、大型トレードでダルビッシュパドレスに放出したほか、先発ローテーションからジョン・レスター、タイラー・チャットウッド、ホゼ・キンターナを含めて4枚も放出。若手の長距離砲カイル・シュワーバー外野手もノンテンダーFAにした。

 

そうした経緯を考えると、ペイロール削減の意味合いもあって2021年夏は、大きく編成に動くタイミングだったのかもしれない。人気球団と言えどもコロナ禍での短縮シーズンや無観客試合が経営を圧迫しているという現実がある。

 

ポストシーズン進出の可能性が限りなく低くなっている今、ホイヤーとカブスは今シーズンよりも2022年以降に焦点を合わせている。

 

今季を諦めても、今オフにFAになる選手をトレードに出してそれなりの対価を得るというプランは、どの編成責任者も考えるものだ。

 

ただし、カブスの事業運営責任者であるクレイン・ケニーは先月、「トレード期限前には資金は問題にならない」と発言。これは総年俸を抑えるためではなく、今季の場合は2012年のセオ・エプスタインが球団副社長に就任し、ジェド・ホイヤーをGMに任命した時のようなファーム層を充実させて内部育成中心のチームに作り直すような解体ではないようだ。

 

 

トレード候補の選手は?

 

今オフにFAになる選手はクリス・ブライアント三塁手アンソニー・リゾ一塁手ハビアー・バイエズ遊撃手というコアなメンバーに加えて先発ローテーションで5勝5敗、防御率4.28のザック・デービーズ投手、負傷者リスト入りしているがリリーフで37試合、防御率3.35(FIP3.15)のライアン・テペラ投手

 

さらに、復調した守護神クレイグ・キンブレルジョク・ピーダーソン外野手救援左腕アンドリュー・チェイフィンらは来季の契約がオプションで球団側に選択権があるクラブオプションではないものの今季限りで退団となる可能性が高い。

 

投手、とくに救援投手の需要は高いのでトレードされる可能性は十分に考えられる。

 

クリス・ブライアントはここ数年にわたって常にトレードの噂が付きまとっているが、シーズンごとに好不調の波があり今季は好調(打率.271、本塁打16、OPS.854)。メッツとオフシーズンの早い段階でトレードについて交渉を行っていることが報じられていた。

 

メッツの三塁手ジョナサン・ビヤーで、ここまで打率.241、本塁打6、OPS.753とメジャーのコーナーインフィルダーとしては物足りない。J.D. デービスは60日間の負傷者リストに入っている。

 

アンソニー・リゾ一塁手はクラブハウスでの中心的存在で彼を手放すことはチームの今後を考えても影響が大きいだろう。ただし、レッドソックスの2年目ボビー・ダルベック一塁手が打率.221、本塁打10、OPS.684と昨年ほどの輝きが感じられない。

 

ヤンキースルーク・ボイト一塁手が、ここまで打率.243、本塁打3で昨年本塁打王を獲得した面影はない。

 

ブルワーズもケストン・ヒウラ一塁手が打率.172、本塁打4と大不振。マイナー落ちも経験した。控えのダン・ボーゲルバックも2割そこそこで7本塁打、しかも10日間の負傷者リスト入り。

 

さすがに同地区ライバルのブルワーズとトレードするとは考えにくいが、ブルワーズはジャッキー・ブラッドリーJr.も1割台の打率で主力であるはずのクリスチャン・イエリッチも打率.233、本塁打5、OPS.765と苦しんでいる。

 

この為、チーム打率はMLB29位と最低レベル。攻撃力の強化にアンソニー・リゾやクリス・ブライアントは喉から手が出るほど欲しいはずだ。