フラッグディール・トレード情報
この夏のトレードは2016年に世界一になったカブス、2019年世界一のナショナルズが「売り手」に回ったことで、ワールドシリーズ等で名前を売ったアンソニー・リゾ、クリス・ブライアント、ハビアー・バイエズ、クレイグ・キンブレルなどの選手たちが市場に放出され、西海岸の球団によるマックス・シャーザー争奪戦が伝えられるなど例年になく活況だった。
夏のトレード・デッドラインのチーム別状況
アメリカン・リーグ 中部地区
地区3連覇を目指したツインズは開幕から元気がなく、インディアンスも資金難からメジャー屈指の遊撃手で生え抜きのフランシスコ・リンドーアをメッツに放出。以前ほどの投手力もなく、この数年間で活発な補強のホワイトソックスが首位を独走中。
派手に動いたのは、そのホワイトソックスと「売り手」に回ったツインズだった。
■ホワイトソックス
【獲得】
デイビー・グルーロン(捕手)
セザー・ヘルナンデス(二塁手)
ライアン・テペラ(右腕)
クレイグ・キンブレル(右腕)
【放出】
コナー・ピルキントン(左腕/マイナー)
ベイリー・ホーン(左腕/マイナー)
コディ・ホイヤー(右腕)
若手の正二塁手ニック・マドリガルがハムストリングを負傷して手術。2021年シーズンの残りを公式に欠場する予定で60日間の負傷者リスト(IL)に登録した。
パイレーツのアダム・フレイジャー二塁手がターゲットだと思われたが、インディアンスからマイナー選手と引き換えにセザー・ヘルナンデス二塁手を獲得。
マドリガル二塁手はコディ・ホイヤー投手と共にカブスの守護神だったクレイグ・キンブレルを得るためにカブスへ放出した。シカゴにフランチャイズを置く球団同士のクロスタウントレードになった。
【 #ホワイトソックス 】新加入の守護神キンブレルが9回表に登板!!3者凡退に抑えました🔥 pic.twitter.com/4qec3K1f3b
— MLB Japan (@MLBJapan) August 1, 2021
■インディアンス
打撃力は弱く、強力な投手力でカバーしてきたインディアンス(来季からガーディアンズ)。
その頼みの先発ローテーションの主力投手ザック・プリーサックとシェーン・ビーバーの負傷により先発ローテの穴埋めが必要だったが、今季は諦めたのか、正二塁手を放出。結局、投手で獲得したのはマイナーの投手2名だけだった。
ただ、投手の育成には定評のあるチームだけに2人のマイナー投手の成長にも注目だろう。
【獲得】
コナー・ピルキントン(左腕/マイナー)
ペイトン・バッテンフィールド(右腕/マイナー)
マイルズ・ストロー(外野手)
【放出】
セザー・ヘルナンデス(二塁手)
ジョーダン・ループロウ(外野手)
DJ・ジョンソン(右腕)
フィル・メイトン(右腕)
イェイナー・ディアス(捕手/マイナー)
エディ・ロサリオ(外野手)
■ツインズ
【獲得】
ジョー・ライアン(右腕/マイナー)
ドリュー・ストロットマン(右腕/マイナー)
アレックス・シャーフ(右腕/マイナー)
ジョン・ガント(右腕)
エバン・シスク(左腕/マイナー)
オースティン・マーティン(遊撃手/マイナー)
シメオン・ウッズ・リチャードソン(右腕/マイナー)
【放出】
ネルソン・クルーズ(指名打者)
カルビン・ファウチャー(右腕/マイナー)
ハンセル・ロブレス(右腕)
J.A.ハップ(左腕)
ホゼ・ベリオス(右腕)
ツインズの注目選手は野手ではネルソン・クルーズ、アンドレルトン・シモンズだったが、クルーズをレイズに放出した。
投手ではJ.A.ハップ、ハンセル・ロブレス。ホゼ・ベリオスもブルージェイズに1対3のトレードで放出した。その際に獲得したオースティン・マーティン内野手(兼外野手)は東京オリンピックのアメリカ代表選手として来日中だ。
ハップ、ロブレス、べリオスの3投手はいずれも今季終了後にFAになる選手で、ここでも予想したとおりロブレスもブルペンを強化したい球団(レッドソックス)からオファーがありマイナー右腕のアレックス・シャーフとの1対1のトレードで移籍した。
■タイガース
【獲得】
リース・オルソン(右腕/マイナー)
【放出】
ダニエル・ノリス(左腕)
ジョナサン・スクープが打率.286、本塁打15、OPS.830と好調だったので、内野手で打てる一塁や二塁手を探している球団からオファーがあると予想したが、まとまらなかったようだ。
キャンピングカーで生活している異色のホームレス・メジャーリーガーとして有名になったノリスがマイナー選手とのトレードでブルワーズに移籍した。
■ロイヤルズ
【獲得】
ジョエル・パヤンプス(右腕)
ケーシー・ケイリッチ(右腕/マイナー)
【放出】
ダニー・ダフィー(左腕)
ホルヘ・ソレアー(外野手)
4月は好発進して地区首位で折り返したが、その後順位は下降したロイヤルズ。
トレード要員としては、カルロス・サンタナの名前が挙がっていたが、IL入りの左腕のダニー・ダフィーをドジャースに、ホルヘ・ソレアー外野手をブレースに放出した。
ソレアーは負傷したアクーニャJr.外野手の交代要員として「2番・右翼手」で出場している。ダフィーはドジャースでもIL入りしたままの状態だ。