テネシー州ナッシュビルで開催された全米注目のNFLドラフト2019全体1位指名は、オクラホマ大のハイズマン賞受賞クォーターバック(QB)、カイラー・マレーだった。マレーはMLBドラフト2018でもオークランド・アスレチックスから1位指名を受けており、MLBとNFLで1位指名を受けた史上初の選手となった。
元テキサス工科大のヘッドコーチ(HC)だったクリフ・キングベリーが新たに指揮をとるNFLアリゾナ・カージナルスが全体1位で指名したわけだが、キングベリー新HCもカレッジ時代にオクラホマと対戦しており、その時のQBが今回指名したマレーで「もし可能なら全体1位で彼を指名したい」とも語っていたという。
オクラホマ大はアメリカンフットボールでNCAAトップ20の常連校。昨年のNFLドラフトでも同大学出身のQBベイカー・メイフィールドがクリーブランド・ブラウンズの1巡指名(全体1位)を受けており、2年連続で全体1位指名のQB、しかもハイズマン賞受賞QBを輩出するというのは快挙だ。
ちなみに、NFL中継(録画)をたまたま見ていたがメイフィールドは、昨年の第3週途中から正QBのタイロッド・テイラーが負傷退場により急遽出場して連敗中のチームに635日ぶりの勝利をもたらした。(ブラウンズは前年16戦全敗だった)
The moment Kyler Murray’s NFL dream came true.
— Sooner Gridiron (@soonergridiron) 2019年4月26日
“With the first pick in the 2019 NFL Draft, the Arizona Cardinals select Kyler Murray, Quarterback, Oklahoma."#OUDNA | #NFLDraft pic.twitter.com/Kvgfoq1VRQ
話が脱線したが、マレーは先輩メイフィールドのように活躍できるのかどうか疑問が残る。ハイズマン賞受賞のQBは活躍できないという説もあるが、これはあくまでもジンクス。
マレーは178センチと小さなQBだ。これが、パス攻撃のネックになる。
これに対しては、シアトル・シーホークスのQBラッセル・ウィルソンも小さいが活躍しているという評価もある。彼もMLBロッキーズから内野手で4巡指名を受けている。
ただ、ウイルソンが活躍したのは「リード・オプション」というランニング攻撃主流の時代。その時にモバイルQBとして登場して成功した。しかも、当時NFLで最強と言われたディフェンス陣が相手の攻撃を最少得点に抑えて、ウイルソンのランオフェンスが時間をコントロールしながら後半逆転する展開や僅差での勝利が多かった。
クリフ・キングベリーが新たに指揮をとるアリゾナ・カージナルスとはわけが違う。キングスベリーHCのエア・レイド・システムに完璧にフィットするというマレーだが、NFLの場合、レギュラーシーズンがわずか16試合しかなく、個人成績よりも「勝てる司令塔QB」が評価される。
カージナルスはパッシング主流の攻撃スタイルなので総合的に評価すれば、ウイルソンの時とマリーの場合は背景が違いすぎる気がする。
マレーのアリゾナ・カージナルスとウイルソンのシアトル・シーホークスは同地区ライバルで年間2度対戦するので今から楽しみだ。
"He's got to do it at this level, we understand that. But, he has a lot of the tools that it takes." - @KliffKingsbury #KardsGotKyler | #CardsDraft
— Arizona Cardinals (@AZCardinals) 2019年4月26日
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◇記事参考
https://nfljapan.com/headlines/40725