カブスの今永昇太が、この日も圧巻のピッチングで地元シカゴのファンを熱狂させた。今回はその記録づくめのピッチングにフォーカスしたい。
MLB2024 GAMEDAY
カブスの今永昇太は日本時間19日、本拠地リグレー・フィールドでのパイレーツ4連戦GAME3に今季9試合目の先発登板。
中4日の登板間隔だったが、今永は7イニング88球(ストライク68)で被安打4、奪三振7、与四球は1、無失点という見事な内容で今季の防御率0.84、WHIP0.913、FIP2.12とした。
試合は、相手の先発ベイリー・フォルターも好投する投手戦。両軍無得点の最終回にカブスのコディ・ベリンジャーの二塁打から1点を奪ったカブスが1対0でサヨナラ勝ちを飾った。
今永の6勝目はお預けになったが、圧巻のマウンドにリグリーフィールドに詰めかけた3万9857人の観衆がそろって立ち上がり、惜しみない拍手を送った。
7 shutout innings for Shota 👏 pic.twitter.com/4hmXN5uoba
— MLB (@MLB) May 18, 2024
地元中継局マーキーSNによると、「デビューから先発9試合(45イニング以上)で防御率0.84」は、防御率が公式記録となった1913年以来のメジャー新記録」らしい。
43年前(1981年)に “フェルナンドマニア” が熱狂したレジェンド左腕、ドジャースのフェルナンド・バレンズエラが記録した防御率0.91よりも良い数字でメジャーの歴史に刻まれる偉大な記録だ。
ちなみに、魔球スクリューボールの使い手だったバレンズエラは同年に防御率2.48で史上唯一の「新人王」と「サイ・ヤング賞」をダブル受賞している。
Shota Imanaga lowers his ERA to a Major League-leading 0.84! 🔥
— MLB (@MLB) May 18, 2024
That’s the lowest by any non-opener through 9 career starts since ER became official in AL/NL (1913).
(h/t @SlangsOnSports) pic.twitter.com/xvbUmPRAQd
また、大リーグ公式サイトによれば、飛ばないボールを使用しなくなった1920年以降、「開幕から先発9試合で防御率0.84」は歴代4位。
2021年メッツ(現レンジャーズ)のジェイコブ・デグロム(0.62)、1966年ジャイアンツのフアン・マリシャル(0.69)、2009年ロイヤルズのザック・グリンキー(0.82)に次ぐ数字だという。
「2番・ライト」で2試合ぶりのスタメン出場となったカブスの鈴木誠也は、守備面では今永をサポートしたが、攻撃面では4打数ノーヒット。今季の打率は.270、OPSは.791となっている。
今永の力投でカブスは地区首位のブリュワーズと2ゲーム差の2位。3位のパイレーツに7ゲーム差をつけている。
カブスの総得点はここまで210。MLB10位と少なく、総失点は201でその差は+9得点しかない。1位のドジャースが得失点差+84。フィリーズ、ヤンキースは同+74。
今永に十分な打線の援護がないのは気の毒だが、今永の9試合の失点7がなければカブスの現在の位置はなかっただろう。