MLB メジャーリーグ物語

海を渡ってMLBで活躍する日本人メジャーリーガーたち

MLB “苦労人”に贈る「カムバック賞」はベンタースとプライスが受賞

 

WS2018 カムバック賞

 

 

 2018年シーズンの最優秀選手(MVP)が発表され、ア・リーグはムーキー・ベッツ(レッドソックス)、ナ・リーグはクリスチャン・イェリッチ(ブリュワーズ)が選出された。

 

 両選手とも素晴らしい活躍だったが、個人的にはカムバック賞に注目している。復活を遂げた、いわゆる「苦労人」たちに贈られる賞だからだ。

 

 

 「カムバック賞」は、各球団から1名ずつ、合計30名の候補者が選出され、MLB公式サイトで各球団の番記者を務める30名の記者によって受賞者が決定されるが、その選出方法には違和感がある。というのも同じチームに2人以上の候補がいる場合もあるからだ。

 

 しかし、そんなことよりも受賞者を称えることにする。今季のカムバック賞の受賞者は、ナ・リーグジョニー・ベンタース(ブレーブスア・リーグデービッド・プライスレッドソックス)が受賞した。

 

 

 

 

 ジョニー・ベンタース(ブレーブス)は、6年ぶりにメジャー復帰。その間、トミー・ジョン手術を2回経験(通算2度目と3度目らしい)。レイズとブレーブスで合計50試合に登板して5勝2敗3セーブ、防御率3.67をマークした。

 

 2003年にブレーブスで指名されレイズを経て6年ぶりに古巣に復帰。ブレーブスで28試合に登板し、チームの東部地区制覇に貢献した。

 

 ブレーブスの受賞者は2010年のティム・ハドソンに続く2人目だが、これぞ「カムバック賞」に値する復活劇で、泣かせてくれる33歳だ。

 

 

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 デビッド・プライスは、レッドソックスでは2011年のジャコビー・エルズベリー、2016年のリック・ポーセロに続く3人目の受賞者で、30試合に先発して16勝7敗、防御率3.58。

 

 クオリティ・スタート18度はチーム最多で、とくにホームゲームでの安定感に特筆すべきものがあり、5月17日(日本時間18日)から9月26日(同28日)にかけてはホームでの13先発連続で自責点3以下に抑えた。

 

 MLB.comで紹介されていたが、この記録は、2000~2001年のペドロ・マルティネスが18先発連続を記録して以来で、左腕では1916年のベーブ・ルースの16先発以来らしい。

 

 それだけではなく6イニング以上を無失点に抑えた試合が6度あり、これはサイ・ヤング賞のファイナリストとなったジャスティン・バーランダーアストロズ)の9度、コリー・クルーバー(インディアンス)の8度に次いでリーグ3位タイの数字だという。

 

 たしかにすごいシーズンだったが、考えて見ればMLBトップクラスの高額でレッドソックスに移籍して2年目の2017年が不甲斐なかっただけで、それは2016年の35試合230イニングの疲労が出たものだった。

 

 プライスは2009年から2桁勝利を続けてきたエリートクラスの先発投手だったから、「カムバック賞」は、個人的には、やや違和感を感じる受賞だった。