大谷翔平が右ひじの内側側副じん帯の損傷で10日間の故障者リスト(DL)に入った。
大谷翔平NEWS
大谷の今後についてはさまざまな憶測が飛び交っているが、米メディアの全体的なトーンとしては落胆ぶりをうかがわせる報道が多い。
シーズンが始まってからの成績で、そのポテンシャルの高さが証明され、ベーブ・ルース以来、100年ぶりの2wayとして全米でも注目されていたから当然だろう。
6日(日本時間7日)のロイヤルズ戦で右手中指のマメにより4回で降板していた大谷だったが、エンゼルスの発表によればクールダウン後に右ヒジの張りを訴えたため、チームの遠征には同行せず7日(同8日)にロサンゼルスでスティーブ・ユン医師の診断を受け、多血小板血漿(PRP)治療と幹細胞注射を受けたという。
地元紙の詳細なレポートによるとMRI検査を受けた結果、右ひじ内側側副じん帯が「グレード2」のダメージと診断。その診断を受け回復を促すためにPRP注射と幹細胞注射を患部に施術したという。
「グレード1」なら患部(じん帯)の炎症で、そのものに損傷はなく、逆に「グレード3」の場合、じん帯断裂を意味し速やかにトミー・ジョン手術が必要とされる。
メジャーファンの方は、このPRP注射で田中将大の長期離脱を思い出した方も多いだろう。
田中だけではないエンゼルスの同僚で今季の開幕投手も務めたギャレット・リチャーズも16年に右肘内側側副じん帯の損傷が確認され、15日間DLから60日間DLに入り残りシーズンを全休した。
この2人の場合はトミー・ジョン手術を受けなかったパターンだが、リチャーズの場合は、その影響もあって翌17年も6試合の登板に終わった。
大谷の場合、その将来性を考えて、エンゼルスは、これまでも慎重に対応してきた。3週間後に再び患部の状態をチェックし、その後の治療方針を固めるということだが、早くても復帰は後半戦の8月頃、長ければ今季は患部の治療に専念するため全休という判断も考えられる。
最悪の場合は、トミー・ジョン手術で、そうなれば今季と来季がほぼ全休になる。2008年以降、内側側副じん帯の怪我でPRP治療を受けた33例のうち、16例(48.5%)でトミー・ジョン手術を最終的に受けたというデータもある。
エンゼルスのチーム事情も影響する。エンゼルスが大事な8月以降にポストシーズンを争える位置につけていた場合、8月頃から打者としての復帰の可能性もあるが、エンゼルスにポストシーズン進出の可能性が低くなった場合、大谷のシーズンエンドも考えられる。
◇参考
大谷翔平のDL入りが意味するもの
https://news.yahoo.co.jp/byline/kikuchiyoshitaka/20180609-00086238/
Orange County Register