201センチ、128キロの巨漢、ヤンキースのアーロン・ジャッジ右翼手。MLBの選手というよりNFLのディフェンスエンドのような体型だ。
そのジャッジがホームでのオリオールズ戦でMLBの両リーグトップとなる20号、21号本塁打を放っている。
とくに6回の相手2番手ローガン・ベレット投手から放った20号ソロは、496フィート(約151メートル)の特大弾だった。
この距離は、『ESPN』が独自に本塁打の飛距離の計測を始めて以来、2009年にウラディミール・バレンティン外野手(現・東京ヤクルトスワローズ)が記録した495フィート弾を超え、衝撃の歴代最長ロング弾らしい。
開幕スタメンを見た時には正直言って驚いた。昨年は84打数で42三振。打率.179の大型扇風機だったからだ。「ベイビーボンバーズ」と、もてはやされたが、捕手のゲイリー・サンチェスの後半53試合での20本塁打という活躍にかすんでいた。
To the bleachers ... and BEYOND!@TheJudge44 goes 495 feet, 2017’s longest homer. https://t.co/IzqlxNcb3y pic.twitter.com/RvMvOJy5ip
— MLB (@MLB) 2017年6月11日
この日2本塁打を放ったジャッジは、4打数4安打3打点と活躍。シーズンの打撃成績を打率.344、21本塁打、47打点として現時点でリーグ三冠王。
コースに逆らわないスイングで、21本中、センターに8本塁打、ライト・センター間に2本、ライトに2本と12本がセンターから右にアーチを架けている。アーチというより弾丸ライナーも多く、前日には、史上最速の121マイル(約195キロ)の打球速度を記録する本塁打も叩き込んだ。
この大活躍に右翼後方のスタンドの一角に作られた「ジャッジズ・チェンバーズ」のファンたちは連日大喜び。
これはジャッジ(裁判官)という名前にちなんで「ジャッジズ・チェンバーズ(裁判官執務室)」という特別席(全18席)に陣取る黒い裁判官用ガウンを着たファンたちだ。
#AllRise AGAIN and at this rate, it's probably easier just to remain standing.
¯\_(ツ)_/¯ pic.twitter.com/ClAELl05MR
— New York Yankees (@Yankees) 2017年6月11日
以前にも書いたが、この活躍が続けば「ジェントル・ジャイアント」(優しい巨人)というニックネームを持つ若者の伝説的なシーズンになるかもしれない。