韓国で行われていたWBCソウルラウンドでは、オランダ代表が下馬評通りの強さを見せて2次ラウンド進出を決めた。
WBC2017
前回のオランダ代表は2次ラウンドでキューバ代表を2回も撃破し、ベスト4入りした。その実績から考えても1次ラウンド通過は予想通りだった。
7日の韓国戦では、エース格のバンデンハーク(ソフトバンク)が4回無失点と好投し5-0の完封勝ち。打線も11安打と好調だった。
多くのメディアで紹介されているが、オランダ代表といっても、実態は欧州ではなく、カリブ海沿岸のオランダ領アルバとキュラソー島の出身選手が中心。
今回は出ていないがロサンゼルス・ドジャースのクローザーとして君臨するケンリー・ジャンセンは筆頭格。
MLBで本塁打王と打点王を1度、ゴールドグラブ賞を10度獲得した後に東北楽天ゴールデンイーグルスに加入したアンドリュー・ジョーンズ。
日本のNPBで年間本塁打記録を達成したウラディミール・バレンティン(東京ヤクルトスワローズ)もキュラソー島出身だ。
今回は、そのカリブ諸島出身の若手メジャーリーガーが名を連ねている。たまたまだが、ショートの選手が多いので守備位置をどう変更してくるのか、そこに注目すると面白い。
1番アンドレルトン・シモンズ(エンゼルス)はメジャー屈指の強肩で知られるゴールドグラブ賞2度の遊撃手。
2番センターのジュリクソン・プロファー(レンジャーズ)は若手の有望株だが、本職はショート。昨年はメジャーに再昇格してユーティリティーで外野もこなした。
3番サードのザンダー・ボガーツ(レッドソックス)は、レッドソックスの中心選手のひとり。
2015年、16年と2年連続でシルバー・スラッガー賞に輝いた。安打数も196本と192本。昨季は打率.294、OPS.802、21本塁打、89打点をマーク、自身初のオールスターにもファン投票で選出されている。彼も本職はショート。
さらに、ヤンキースのレギュラー、ディディ・グレゴリアスもキュラソー島で育った。
ヤンキースではジータ―の後釜で物足りないものがあったが、昨年打撃面で開眼し、20本塁打をマークしている。彼もヤンキースではショート。
今回のWBCオランダ代表は、こうしたカリブ諸島出身のメジャー組が中心で、4年前にマイナーリーグの有望株だった選手たちがメジャーリーガーに成長してさらに強くなった。
この日のラインナップの1-6番打者のうち5人が現役メジャーリーガーだった。
【オランダ代表】
※イスラエル戦のラインナップ
1(DH)シモンズ
2(中)プロファー
3(三)ボガーツ
4(右)バレンティン
5(二)J・スクープ
6(遊)グリゴリアス
7(一)デカスター
8(捕)リカルド
9(左)Ra・オドュベル