MLB メジャーリーグ物語

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オランダ敗戦、助っ人ジャンセンは1回限定、慣れない中堅プロファー、選手層に明暗

WBCセミファイナルの1試合目、プエルトリコ対オランダ戦は現地20日ドジャースタジアムで行われ、延長11回、プエルトリコが4-3のサヨナラで2大会連続の決勝進出を決めた。

延長戦に入って戦力の差が明暗を分けた。

この試合からロースター入りした地元ドジャースの守護神でオランダのジャンセンは、誰が見ても勝負のかかった場面であっさり1イニングを抑えただけだった。そこには所属ドジャースと交わした密約があったという。

11回からは無死一二塁からスタートする大会規定によるタイブレーク方式。プエルトリコはバントで送られ、満塁策をとり、スミスを4-6-3の併殺打。無失点に仕留めた右腕ディアス(マリナーズ)は吠え、陽気なラテンアメリカンたちは、試合がまだ決まってもいないのに大はしゃぎだった。

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その裏、オランダのマウンドにいたのは、10回からジャンセンの後を受けたファンミル。

3年前、楽天でプレーした長身右腕で、2次ラウンドの日本戦でも好投している。ファンミルは、2イニング目に突入していた。前の打席ではバントに失敗していたモリーナ(カージナルス)が、今度はバントを決めて、オランダも満塁策をとる。

ここで、次の打者の少し浅めのセンターライナーに三塁走者のコレア(アストロズ)がタッチアップでホームへ生還した。

オランダ代表のセンターのプロファー(レンジャーズ)は、昨年途中からメジャーへ再昇格した選手。チームメイトのボガーツ(レッドソックス)、シモンズ(エンゼルス)、グリゴリウス(ヤンキース)、スクープ(オリオールズ)らが所属チームのレギュラー組であるのに対して彼はリザーブ

しかも、本職は内野手。昨年もサードで25試合のほか、セカンド19試合、ファースト17試合、ショート11試合など。外野にも就いたがレフトの14試合だけ。

所属のレンジャーズではユーティリティープレイヤーとして起用されたが、オランダ代表チームではセンターとして起用され、そこがウィークポイントとして不安視する声は大会前からあった。

あのシーン。慣れないポジションでのバックホームは、距離感がまったくつかめていない返球に見えた。本来ならもっと際どいタイミングになっても不思議ではなかった。

1回ポッキリのジャンセン登板

プロファーのセンターだけではない。それ以上に助っ人ジャンセンを使うタイミングが悪かった。しかも1イニング限定。

これには理由があってロサンゼルス・タイムズの報道によると、試合後、オランダのミューレンス監督は「それが我々がドジャースと交わした約束だった」と答えたという。

予備登録枠を使っての出場だったが、例え球数が少なくとも1試合1イニングだけの限定起用が、ドジャースが出した条件だった。

一方、プエルトリコの勝利投手となったディアスは、所属のマリナーズが今季からクローザを予定している若手。ジャンセンと違い、1次ラウンドから参戦。1次、2次ラウンドでは3試合に投げ、ドミニカ戦では、すでに回を跨いでの登板もしている。

全ての敗因が、ジャンセン投手の起用やプロファー選手のプレイと言っているわけではない。オランダのベスト4は素晴らしい結果に違いない。

しかし、選手層の厚さが大事な場面で露呈したと言える。

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