昨シーズンは、メジャーで13年ぶりの300奪三振を記録したクレイトン・カーショー。MLB.comの日本語版ツイッターにもこの日のトピックスとして「四球5つで100奪三振を達成した投手は、近代のMLBではカーショーをおいて他にはいません」と紹介している。
K/BBは、セイバーに詳しい方ならご存知だと思うが、投手の制球力を知る一定の指標になる。カーショーのK/BB=与四球5/奪三振105=21という数値は驚異でしかない。
奪三振トップのカーショーと比べて2位のフェルナンデス、シャーザー、ストラスバーグが90で続いているが、カーショーのK/BB=21に比べて
- フェルナンデス(MIA)は25/90=3.6
- シャーザー(WAS)は22/90=4.09
- ストラスバーグ(WAS)は20/90=4.50
もちろん、カーショーの21も瞬間風速といえるかもしれないが、それでも昨年の7.17、14年の7.71は高い数値を示している。
ドジャースのクレイトン・カーショー、7回2/3を投げて10奪三振!シーズン中に四球5つで100奪三振を達成した投手は、近代のMLBではカーショーをおいて他にはいません。 https://t.co/zMlq1pfN2j pic.twitter.com/o09JnRThj1
— MLB Japan (@MLBJapan) 2016年5月30日
ふり返ると15年、14年のカーショーは、シーズン序盤にエンジンの掛りが遅かった。15年の4月はERA3.73、5月も同3.97だった。14年の4月も同4.08とふつうの先発投手のそれだった。
しかし、今季は開幕から好調。このペースならシーズン300奪三振はもちろん、全ての記録でとんでもない数値をマークしそうだ。
勝ち星だけが躍っている記事をよく見かけるが、球数で管理されているメジャーの場合、さすがに20勝すれば大したニュースかもしれないが、15勝でも16勝でも大した意味を持たない。
通常、白星が付いたかどうかは、投手からすれば気分的なものでしかなく、それは、その時の打線のランサポートでどうにでもなる。
完封した23日のレッズ戦では、カーショーが9回のマウンドに立つと、ドジャースタジアムのスタンドから「MVP!」の合唱が響き渡ったという。
ファンは、小気味の良いカーショーのテンポに、心地良いリズムを感じたに違いない。テレビで見ていてもそんな試合があるものだ。