外国人選手が日本球界を経て、メジャーリーグの舞台で果たして成功できるのかどうか?プロ野球(NPB)を経験し、その後、メジャーで実績を積み上げた選手を紹介したい。
■実績十分あり「日本からメジャー挑戦した外国人選手」
1989年に阪神で1年だけプレーし、打率.302、38本塁打、81打点をマークしたセシル・フィルダーは、1990年に復帰したタイガースで51本塁打、132打点で二冠王となり、3年連続打点王にも輝いた。余談だが、息子プリンス・フィルダー(レンジャーズ)も活躍し、今季のALカムバック賞を受賞した。
1995年に中日でプレーしたマット・ステアーズは、メジャーに復帰した1996年から歴代2位タイの12球団を渡り歩き、28歳以降で264本塁打を放った。
アルフォンソ・ソリアーノは1996年から97年に広島に在籍し、たった9試合(17打数2安打、0本塁打)しか出場しなかったが、1999年にヤンキースと契約してから12年連続20本塁打以上を記録するなど、メジャー16年間で412本塁打、289盗塁をマークした。
投手は成功した選手が多い。
最近では元広島(2008年から09年)のコルビー・ルイス。メジャー復帰後5年間で2ケタ勝利を4度挙げ、今季は自己最多の17勝をマークしてレンジャースの地区優勝に大きく貢献、12月18日にレンジャーズと1年600万ドルで再契約した。
2013年に阪神タイガースでプレイして帰国したブレイン・ボイヤー投手(34)。日本では、さほどの実績もなかった右腕だが、14年パドレス、今季はツインズのマイナー契約から開幕ロースターに名を連ねると、68試合に救援登板し、3勝6敗1セーブ、キャリアベストの防御率2.49をマークしている。昨年11月2日にツインズをFAになった。
元横浜のラファエル・べタンコート(2003年からインディアンズ、ロッキーズなど)、
元広島のラモン・ラミーレス(2006年からロッキーズ、ジャイアンツなど)、
元阪神のスコット・アッチソン(2010年からレッドソックス、インディアンズなど)、
元阪神、オリックスのライアン・ボーグルソン(2011年からジャイアンツ)、
元巨人のカルロス・トーレス(2012年からロッキーズ、メッツ)
など活躍した投手はかなりの数に及ぶ。
■今季もバーネット、呉昇桓らがメジャーに!
ここでも以前に紹介したが、東京ヤクルトスワローズの守護神、トニー・バーネット投手(31)が、ポスティングシステム(入札制度)を利用して米球界復帰を目指すことを表明した。
このパターンで、この制度を利用するのは初めてということで多くのメディアが取り上げた。譲渡金の設定は50万ドル(約6000万円)で、その額を支払う意思のあるメジャー球団の全てが交渉できる。
ご存知のように自由契約ではなく、バーネット側の提案で、移籍金の伴うポスティング移籍という手続きを採ったことも好意的に伝えられた。小川淳司シニアディレクターは、「戦力ダウンはするが、その気持ちがありがたい」と受け入れた。
譲渡金が低いことなどが好条件だが、メジャーの今オフは、注目のFA選手たちが例年より多く「買い手市場」ということもあり、ポスティングの期間内には契約できなかったが、ここでも紹介したようにレンジャーズと2年契約を結んだ。
さらに、先日紹介した呉投手は、カージナルスと2年インセンティブを含め最大で1100万ドルの契約に合意した。
日本球界で、打者は配球の読み、変化球打ちが磨かれ、投手は細かい制球力を身に付けて四球を減らし、安定感を増したことが成功の要因と考えられる。
バーネットにしても、呉昇桓にしても、日本での経験は決して無駄ではなく、逆に最大の“武器”にしてメジャーに挑戦していく。
記事参考
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151110-00000009-nallabout-base