MLB メジャーリーグ物語

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イチロー1年ぶりの3安打「猛打賞」巧打技ありの巧打

マーリンズイチロー外野手が現地19日、敵地フィリーズ戦に「1番・ライト」で2試合連続の先発出場。昨年7月7日以来となる3安打の猛打賞で連続安打試合を6に伸ばした。

 

今季初の“猛打賞”となる5打数3安打1打点の活躍でMLB公式サイトは、速報記事の「重要な瞬間」というコーナーで、「イチロークラッチヒット」と報じている。

 

「ディー・ゴードンが(左手親指脱臼で)故障者リスト入りし、マーリンズは先頭打者のスパークを求めていた。イチローは連戦の最終戦で今季初の3安打の活躍で火花を供給した。3本目は8回2死でのセンター前へのタイムリーヒットで、マイアミが7-6でリードする極めて重要な一本だった。41歳は今メジャー3000本安打まで104本と迫っている」

 

 

見せ場は1点を返して同点に追いついた八回。なおも2死二塁の好機にイチローが打席に立った場面。

 

デイリースポーツが、詳しく解説している。マウンド上には剛腕ジャイルズ。前夜の試合では8回の打席で初球、97マイル(約157キロ)の速球を打ち上げて中飛に倒れている。

 

この日も初球は真っ直ぐから。97マイル(同)の内角高めの直球はイチローがのけぞるほどのボールだった。

 

2球目も同じ内角だったが、球種は86マイル(約138キロ)のスライダー。鋭く落ちる変化球に、バットは大きく空を切った。3球目も内角低めのスライダー。球速はわずかに遅い84キロ(約135キロ)。再び、空振りを喫した。

 

2つの球種を同時に待つ。空振りだけは絶対にできない。バットに当ててインプレーにする。打席の中で考えたことはもう1つある。

 

「真っ直ぐをきれいに捉えようとは思ってないよ。“両にらみ”だからしょうがないよね。とにかく(2つの球種を)待つわけだから、97マイルをきれいに捉えようとすると、スライダーはノーチャンスですから」

 

4球目に投じられたのは、外角高め、97マイル(同)の直球。持ち味のバットコントロールが冴(さ)える。

 

フラフラと上がった打球は遊撃手の頭を越え、中堅手の前にポトリと落ちた。見た目は“つまらされた”ような打球だった、実際は、意図的に“つまらせた”のだ。それを証明するかのように「理想の打球?」の問いかけに、イチローは「そうだね」と即答した。

 

2試合連続で1番に入ったのは今季初。午後1時38分開始のデーゲーム。プレーボール時の気温は33度、体感温度は38度。

 

高温注意報が発令され、マーリンズ二塁手ロハスが5回に体調不良で交代するほどの過酷な条件の下、フル出場したイチローは「暑かったですねえ」と一言。試合中は水分補給、そして、アンダーシャツを5回ほど替えて体調維持に努めたという。

 

前半戦終盤にはメジャー自己ワーストの34打席無安打というスランプに苦しんだイチローだが、6試合連続ヒットと調子を上げている。一時は2割4分4厘まで下げた打率も、2割6分5厘まで回復した。