約134キロのスライダーが、鈍い音を立ててイチローの左膝に直撃した。
7戦連続で先発を外れたマーリンズのイチロー外野手は現地10日のデーゲーム、本拠地でのレッズ戦に7回に代打出場し、左膝内側に死球を受けた。
この試合で一番の大歓声を受けながら打席へ向かったイチロー。
レッズ4番手右腕イグレシアスの3球目は83マイル(約134キロ)のスライダーが、大きく変化しながら鈍い音を立ててイチローの左膝を直撃した。
イチローは一瞬その場にうずくまったが、ベンチから飛び出してきたトレーナーが状態を見る前に立ち上がり、一塁へ向かった。その後、守備に就くこともなく、前半戦を終えた。
残り65本で入ったシーズン。4月は10安打。このペースで行けば3000安打は9月になった。ところが、5月に18安打を放って大きくペースを上回る。好調を持続し6月は25安打。これで一気に3000安打を射程圏に捉えた。
偉業達成を射程圏内に入れた前半戦だったが、最も恐れるアクシデントに見舞われた。軸足の膝頭にボールが直撃したように見えた。数日間は腫れが引かないかもしれない。
オールスターブレイクに入るイチローの前半戦は73試合に出場、31試合に先発し、188打席、164打数55安打、打率.335。「オールスターにふさわしい」ともメディアが称賛した活躍だった。
メジャー通算では2990安打で、大きな節目の3000まで10のまま後半戦に持ち越しとなった。