MLB移籍情報
グリエルは米キューバ国交正常化でメジャー移籍が狙い
DeNAは2日、右太腿裏痛を理由にキューバにとどまり来日のメドが立っていないユリエスキ・グリエル内野手の契約を解除しました。
これを受けてMLBの複数球団がグリエル獲得に向けて水面下の交渉が始まるものと見られます。
ここでも何度か書きましたが、アメリカ政府は昨年12月、バラク・オバマ大統領がキューバ政府と国交正常化する方針を表明、長く続いた冷戦関係に雪解けムードが訪れていました。この4月には、さらに進展があるという話もあります。
メジャーリーグ機構(MLB)は2月3日、キューバ国外で永住権を持つキューバ出身選手との契約に関して、政府の許可を得ずとも球団に所属させても良いとする返答があった事を各球団に通達し、メジャーリーグ公式サイトにも掲載しました。
これまでのように亡命者扱いで、肩身の狭い思いをせずに堂々とアメリカで契約できるようになりました。
Moncada, 19, batted .277 (84-for-303) w/ 58 runs, 28 RBI & 21 SB in 101 gms. over 2 seasons in Cuba’s Serie Nacional. pic.twitter.com/CZA1LRhndT
— Boston Red Sox (@RedSox) 2015, 3月 13
先日もキューバの19歳の新人がレッドソックスと約38億円の新人契約をして話題になりました。 (上のtwitterのモンカダ選手)
昨年は、開幕ロースターに19人のキューバ出身選手
以前にも紹介しましたが、2012年のヨエニス・セスペデス、2013年ヤシエル・プイーグ、2014年ホセ・アブレイユとキューバ人打者の大活躍がブームに火をつけています。
昨シーズン、19人のキューバ選手が開幕ロースター(故障者リスト入りを含む)に名を連ねました。米国出身以外ではドミニカ共和国の82人、ベネズエラの59人に次いで3番目に多い数字です。
オールスターも印象的でした。ヤシエル・プイーグ(ドジャース)、ヨエニス・セスペデス(アスレチックス)、ホセ・アブレイユ、アレクセイ・ラミレス(ともにホワイトソックス)、アロルディス・チャップマン(レッズ)の5人が登場しました。
この流れは、さっそく日本にも影響し、その第1号が、今回のグリエルといえそうです。上のような米キューバ両国間の外交問題と10億円近いといわれる年俸を棒に振ってまで、遠く離れた日本でプレイしたいと思わなかったのでしょう。
堂々と国が認めてくれるなら日本よりはるかに高待遇で、しかも仲間の多いMLBでプレイしたいと思うのがふつうです。米キューバの国交正常化が進展すれば、次に想像されるのが、キューバのトップ選手がMLBに流れてNPB(日本プロ野球機構)でプレイするキューバ人選手の質の低下、場合によってはゼロになるということが十分考えられます。