グリエルが兄弟でキューバから亡命
元DeNAのユリエスキ グリエル内野手(31)と弟のルルデス グリエルJr内野手(22)がキューバから亡命したことが報じられた。
「グリエル騒動」に関しては昨年4月3日の記事で触れたが、今回の行動を受けてMLBの複数球団がグリエル獲得に向けて交渉が始まるものと思われる。いや、水面下で話はかなり進展しているかもしれない。
昨年2月には、レッドソックスが19歳のキューバ人、ヨアン モンカダ内野手と契約金3150万ドル(約37億5000万円)という現行のルールでは、アマチュア史上最高額で契約した。その時は11球団が争奪戦を展開した。
昨年、キューバとアメリカが歴史的な国交回復(正常化)を果たした。
その前の段階で、メジャーリーグ機構(MLB)は2月3日、米国政府の許可なく、キューバ国外で永住権を持つ同国選手を自由に獲得できるように条件を緩和した。しかし、キューバ政府は米国への選手派遣を認めていないのが現状だ。
モンカダの場合は、アルゼンチンと米国の二重国籍を持つ女性と結婚し、キューバ政府からメジャー移籍の許可をもらった。
.@JesseSanchezMLB breaks down Yoan Moncada’s deal with @RedSox: http://t.co/eIf5Ej44HL pic.twitter.com/xZ5MZB9k73
— MLB (@MLB) 2015, 2月 25
モンカダの場合は、これで亡命者扱いにならず、肩身の狭い思いをせずに堂々とアメリカで契約できるようにした。
グリエルもかつてメジャーリーグ公式サイトの取材に対し、「自分は合法的に行きたい」と話していたという。
キューバで直接取材したジャーナリストの話だとグリエルの父親はキューバ代表の伝説的選手だった人物で、一家の名声を傷つける行動はとれないだろうということだった。
キューバの野球選手とミュージシャンは、政府から良質な自動車と家、近年普及しだした携帯電話を与えられるという。野球選手は国家公務員という位置づけで安定した生活が保障されている。
とは言え、昨年も19人のキューバ―人プレイヤーが開幕ロースターに名を連ねたように高額の契約を夢見て祖国を後にする選手たちがいることも事実だ。
Moncada, 19, batted .277 (84-for-303) w/ 58 runs, 28 RBI & 21 SB in 101 gms. over 2 seasons in Cuba’s Serie Nacional. pic.twitter.com/CZA1LRhndT
— Boston Red Sox (@RedSox) 2015, 3月 13
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キューバで見えたグリエル騒動の背景
日本球界が理解すべき彼らの考え方
http://sports.yahoo.co.jp/sports/baseball/npb/2015/columndtl/201504150002-spnavi?page=1
1984年6月9日、キューバ生まれの30歳。走攻守そろった内野手として02年にキューバ代表入りし、以降ほぼ全ての国際大会に出場。
04年アテネ五輪金メダル、06年WBCは二塁手でベストナインに輝いた。父ルルデス氏も同代表として92年バルセロナ五輪の金メダリストでもある。
昨年6月にDeNA入団。62試合で打率・305、11本塁打、30打点の成績を残した。183センチ、89キロ。右投げ右打ち。