MLB2013 ワールドシリーズ
3勝2敗でリードしてボストンへ
最後は上原がイニングをまたいでピシャリ!
◇ World Series Game 5 10.28.2013
歓喜のハイファイブ。マウンドの上原の頬がふくれる。口で大きく何度も呼吸を繰り返す。
「(緊張感で)吐き気がする」「もうしんどいです」。試合後のインタビューや自身のブログで上原が語ったコメントだ。
日本でのエースとしての経験。オリンピック、WBCなど、あれほどの大舞台を経験した38歳のベテランが心情を吐き出す。ワールドシリーズという舞台が、それだけの大舞台だということだ。
ワールドシリーズ第5戦はセントルイスで行われ、レッドソックスが3―1でカージナルスを下し、3勝2敗で6年ぶり世界一へあと1勝とした。
上原は8回途中から2番手で登板し、1回1/3を無安打無失点。ポストシーズン最多に並ぶ7セーブ目を挙げた。
上原は3―1のリードした場面の8回2死二塁のピンチで、先発のレスターをリリーフ。代打アダムスを3球オールストライクの空振り三振に斬ると、9回はM・カーペンターを見逃し三振、代打ジェイをファーストゴロ、ホリデーをライトライナーに打ち取って無安打無失点で締めた。
王手をかけた第6戦はレッドソックスの本拠地フェンウェイ・パークに戻る。2004年と07年のワールドシリーズを制したときの優勝決定は敵地。1912年にオープンした本拠地フェンウェイ・パークでのワールドシリーズ優勝決定は実に1918年にさかのぼる。95年ぶりの悲願達成まで、あと1勝。
上原はいつものように名物となったハイファイブ(ハイタッチ)で勝利を祝った!
思い返して欲しい。4月のあの全米を震撼させた悲惨な事件のあと「BOSTON STRONG」をかかげて戦ってきチームだけに、地元のボストンでなんとしても優勝させてあげたい。
「BOSTON STRONG」とは、困難に立ち向かうボストン市民の気持ちを表した言葉です。
4月の第3月曜日は、マサチューセッツ州ではペイトリオッツ・デイ
(愛国者の日)として、州の祝日と定められています。
歴史的には、1775年4月19日に米独立戦争が始まったことを記念する祝日であり、事件が起こったボストン・マラソンは、毎年ペイトリオッツ・デイを記念した、ボストン市民にとっては「春の訪れ」を寿ぐ行事のひとつになっています。
「ペイトリオッツ・デイ」のレッドソックス戦は、毎年、午前11時に試合が始められることが伝統となっています。1年に2430試合もあるメジャーリーグの試合(ポストシーズンは除く)の中でも、午前中に試合がスタートするのは、
ボストンの「Patriots Day Game」だけ。
なぜ、この試合だけが朝に始められるのかというと、それは、ボストン・マラソンで、フェンウェイパークの近くを通過するランナーたちを試合後に見てもらうためです。
氷点下になる寒い冬を乗り越えて、やっと訪れた春を祝う愛国記念日。
そんな日にあのテロ事件は起きました。