ポストシーズン7セーブは過去に4人
大リーグ公式サイトによると、ポストシーズン7セーブは過去に4人が記録している。1996年のウェッテランド(ヤンキース)、2002年のパーシバル(エンゼルス)とネン(ジャイアンツ)、08年のリッジ(フィリーズ)。
野茂が海を渡り、NHKがBSでMLB中継をするようになってからの選手たちだから、MLBファンなら誰もが知るメジャーを代表するクローザーたちだ。
今季の上原は、そうした選手たちと肩を並べたことになる。
地元紙はウエハラをMVPに
これは、単なるラッキーではない。先発投手ほど報道されなかっただけで、以前にも書いたが、上原には日本を代表する投手としての輝かしい実績がある。
忘れもしないのが2002年10月10日。日米野球で対戦したバリー・ボンズに3三振を食らわしたあのピッチングだ。
ボンズは、その前年の2001年に年間HR記録を塗り替えた全盛期。前日にも日本人投手から名刺代わりともいえる2本のHRを放ち、そのパワーで日本の野球ファンの度肝を抜いていた。そんなMLB最強打者を上原が、キリキリ舞いにした。
2004年、08年にはオリンピック日本代表。06年の第1回WBCでも奪三振、防御率(1.59)は、トップの成績だった。
29日付の地元紙のボストン・ヘラルド紙(電子版)は、04年のキース・フォークを紹介。上原と同じ移籍1年目の04年に抑えとしてチームを86年ぶりのワールドチャンピオンに導いた彼の活躍になぞらえ、上原の快投をたたえた。
同紙は04年のポストシーズンでは11試合で1失点だったフォークを「事実上のプレーオフMVP」と表現。
上原も同様に、第5戦で2点リードの八回2死二塁から登板して完璧に抑えた。「彼がいなければ起こりえない」と絶賛。上原が、「これは魔法なのか?」と問いに「いえ。僕は普通の人間です」と答えたことも紹介している。
ここまでポストシーズン全15試合のうち、イニングまたぎ4試合を含む12試合に登板し、失点はわずか1。打撃ではここまでオルティーズが15打数11安打、2HR、6打点と大車輪の活躍を見せているが、守備のMVPは間違いなく上原といえそうだ。