今季のワールドシリーズはカンザスシティ・ロイヤルズが2連勝。昨年、最終戦でサンフランシスコ・ジャイアンツに敗れた悔しい経験や連続出場による自信からかロイヤルズの試合巧者ぶりが目立つ。
WS2015
GAME3はニューヨーク・メッツの本拠地シティ・フィールドに舞台を移し、30日(日本時間31日)に行われる。ロイヤルズの先発は、ヨーダノ・ベンチュラ。ロイヤルズは、勝てばシリーズ制覇に王手をかけることになる。
一方、地元で勝利して流れを変えたいメッツの先発は、ノア・シンダーガードが務める。互いにメジャーを代表する若手剛腕投手の対決となった。
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— MLB (@MLB) 2015, 10月 30
シンダーガードは、これまでプレイオフ3試合に登板し、ERA2.77(シーズンERA3.24)。ルーキーながら物怖じしないマウンドで剛速球を投げ込むスタイルが対戦相手を苦しめた。
3試合で22球が100マイル(約161キロ)超え、最速は101マイル(約162.5キロ)を記録した。さらに、『MLB.com』によると、ファストボールの平均速度は97.25マイル(約156.5キロ)で、スピードという点ではベンチュラを上回るというデータもある。
これに対し、ロイヤルズの1番打者を務めるアルシデス・エスコバー遊撃手は、「このチームは速いボールが大好きなんだ」と、シンダーガード攻略に自信のコメント。
ここまでのポストシーズンで、打率は.364とリードオフマンとして最高の働きを見せている男は止まることなく出塁を続けている。
GAME2でも95マイル超の速球で打者を圧倒してきたメッツの剛腕デグロームを攻略したチームの自信を象徴するような発言だ。
そして、その打線の核となっているのは、4番エリック・ホズマー。
このポストシーズンだけで、現在15打点をマーク。あと1打点でアルバート・プーホルス(STL=2011年)やバリー・ボンズ(SF=2002年)に並ぶハイペースで打点を稼いでいる。GAME2でも勝ち越しとなる2点タイムリーを放ち、勝利の流れを一気に引き寄せた。
他のチームの4番のようなHRを量産するタイプではなく、どちらかと言えばスプレーヒッターに近いと評価されているホズマーは、実際15年ポストシーズンでのOPSそのものは.566と良い数値ではない。それでも試合の流れを呼び寄せる勝負強さを持つ。
こうしたロイヤルズ打線のキーマン達を抑えメジャートップの出塁率とリーグトップのOPS(出塁率と長打率を足した数値)を誇る打線を線から点に変えることができるか、シンダーガード対ロイヤルズ打線に注目したい。