アメリカンリーグ(AL)西地区でついにマリナーズがテキサスの2チームを抑えて単独首位に浮上した。今日は首位争いが激化しているAL西地区のホットな話題を紹介したい。マリナーズでイチローの「弟子」ともいわれているフリオ・ロドリゲスがイチロー以来の偉大な記録を達成したようだ。
MLB2023 GAMEDAY
マリナーズは残念ながら現在、日本選手が所属していないので紹介する機会も減ったが、現地27日のロイヤルズ戦にも3対2で勝利。3連戦をスイープしてレンジャーズがツインズに敗れたためAL西地区の単独首位に浮上した。
マリナーズは8月絶好調。フラッグディールでクローザーを放出するなど「売り手」側に回った印象だったが、8月初旬にエンゼルスから4連戦4連勝するなど7連勝で勢いをつけ、中盤にも8連勝。ここまで20勝5敗の快進撃だ。
一方、4月から地区首位を走っていたレンジャーズは8月前半に8連勝した後、現地16日から8連敗。8月はここまで13勝11敗と白星が伸びず、ここへきてマリナーズに首位の座を奪われた。
マリナーズの8月は下位のチームとの対戦が多く、それが有利に働いた部分もある。
同地区ライバルのエンゼルス4連戦をスイープしてから勢いに乗り、2位アストロズにも3連戦スイープ。これが若いチームには自信になったのかもしれない。
オリオールズには1勝2敗だったが、そのほかはホワイトソックスやロイヤルズなどから10戦して8勝2敗と手堅く勝利を重ねた。
昨年21年ぶりにプレーオフ進出を果たしたマリナーズだったが、2022年のシーズン前にはファームシステム・ランキングで堂々の1位。そうした組織力の底上げも見逃せないポイントだろう。
【ア・リーグ西地区順位】※現地8月27日時点
1位:74勝56敗 マリナーズ
2位:73勝57敗 レンジャーズ
3位:74勝58敗 アストロズ
4位:63勝68敗 エンゼルス
5位:38勝93敗 アスレチックス
投手力は先発ローテの4人が防御率3点台と安定しMLB全体でもチーム防御率で6位。剛腕タイプはいないが、各投手の制球力が良いのが特長。
エース格のルイス・カスティーヨ以外の3人、ローガン・ギルバート(防御率3.66)が26歳。ジョージ・カービー(防御率3.28)が25歳。ブライス・ミラー(防御率3.90)が25歳と若く、彼らが自信を付けているのが大きい。今後数年間保有できるのも編成上大きなプラスだ。
ブルペンも奪三振率14.40のマシュー・ブラッシュ(17ホールド、4セーブ)など若手が台頭。チーム防御率でMLB3位と先発投手たちにも心強い。
打撃陣では8月に入って絶好調のフリオ・ロドリゲス外野手の存在が大きい。ロドリゲスはこの8月にメジャー新記録となる4試合17安打、メジャー史上2人目となる4試合連続4安打以上を記録し、月間41安打、11盗塁をマーク。
これは、2007年のイチローに次いで球団史上2人目となる「月間40安打・10盗塁」という快挙だ。
マリナーズは残念ながら現在、日本選手が所属していないが、イチロー氏は昨年5月に会長付き特別補佐に就任しレギュラーシーズン終了までチームに帯同している。
師匠のアドバイスを受けた弟子が躍動しているのは、日本のメジャーリーグファンとして嬉しい気がする。
- (2001/5) イチロー 47安打12盗塁
- (2002/5) イチロー 44安打11盗塁
- (2003/6) イチロー 44安打10盗塁
- (2007/5) イチロー 46安打13盗塁
- (2023/8) フリオ・ロドリゲス 41安打11盗塁
Julio Rodriguez is the 2nd player in Mariners history with 40+ hits and 10+ SB in a calendar month.
— ESPN Stats & Info (@ESPNStatsInfo) August 27, 2023
He joins Ichiro Suzuki, who did so 4 times. pic.twitter.com/qYfVBybj0R