オーナー側(MLB機構)vs.選手会(MLBPA)、今回も紛糾しそうな展開だ!!
新型コロナウイルスのパンデミックで開幕が延期となり「60試合制」の短縮シーズンになったメジャーリーグだが、各球団のオーナーは2021年シーズンの開幕を5月まで延期することを希望しているという。「USAトゥデイ」のボブ・ナイチンゲールが伝えている。
MLB公式サイトの記事では、ア・リーグ球団のオーナーは「春季キャンプが2月に始まるなんて考えられない。その可能性はゼロだ。シーズンが140試合になろうが120試合になろうが80試合になろうが気にしない。みんなが安全であることが第一だ」と発言している。
さぁ、また紛糾するぞ!覚悟しよう!!
オーナー側の本音は?有料観客試合によるチケット収入の確保
今季の春にも年俸の取り扱いを巡ってオーナー側(MLB)と選手会側(MLBPA)の労使交渉が難航した。その状況は、ここでも伝えたが、6月22日(日本時間23日)午後から38人のプレーヤー(MLBPAの8人の小委員会幹部と各チームの個々の労働組合代表)による採決を行い33票対5票で60試合制による開幕案を否決した。
MLBはユニオンが33対5の反対多数で否決も60試合前後での強硬開催高まる
オーナー側としては赤字になる無観客試合を1試合でも減らし、シーズン開幕後の早い段階から観客を入れて収益を確保するのが狙い。そのため選手全員に新型コロナウイルスのワクチン接種が済んでから開幕したい。
時間を稼げば、その間にワクチン接種済みのファンが増え、通常のシーズンのように安全な開催が担保され、有料観客試合を増やしチケット収入が確保できる。
オーナー側の気持ちもわかる。別にオーナー側が悪いわけでもなく、球団経営のために当然の判断だとも考えられる。しかし、開幕を待つファンは度外視される展開になる。
選手会は162試合制で100%の年俸を確保したい
しかし、そうなれば選手会は試合数が減る事による収入減が心配。その気持ちもわかる。だから、選手会は通常通りの162試合制を希望しており、2月に春季キャンプを開始するプランのようだ。これは「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリッチが、選手会の労使交渉責任者であるブルース・マイヤーへの取材で明らかにしている。
2020年シーズンは例年より102試合も少ない60試合制で開催され、選手たちは完全な日割り給与によって大幅な収入減を強いられた。選手会はこのパターンを避けたいようで、1試合でも多く開催して年俸を確保したい。
今回もファンを無視した骨肉の争いになりそうな匂いがする(笑)
今回もファンを無視した年俸の取り扱いを巡って金銭面でのオーナー側(MLB)と選手会側(MLBPA)の骨肉の争いになりそうだ。日本の状況とは比べ物にならない北米大陸におけるコロナ禍の酷い状況を考えれば、どちらの主張も当然で、問題は複雑だ。