MLB移籍情報
《FA捕手情報》第6弾
マッキャン争奪戦、メッツ、エンゼルスに加えてフィリーズも参戦
先日も《FA捕手情報》第4弾【MLB移籍情報】メッツの狙いはリアルミュートよりマッキャンという見出しで紹介したが、FA捕手たちの動向に新情報が入った。
ドンブロウスキー次期編成部長とマッキャンの関係
「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンによるとフィリーズの空席だった編成本部長に実績のあるデーブ・ドンブロウスキー氏が就任した場合、ドンブロウスキー氏はジェームス・マッキャンの争奪戦に加わる可能性があると報じている。
The Mets and Angels are in with strong offers for James McCann. But it may be worth waiting to see if the Phillies get involved. Incoming Phillies baseball president Dave Dombrowski drafted McCann out of the U. of Arkansas and had him Detroit. And the Phillies do need a catcher.
— Jon Heyman (@JonHeyman) December 11, 2020
ドンブロウスキー氏はタイガースのゼネラルマネージャー時代にアーカンソー大学のマッキャンに注目し2011年、ドラフト2巡目(全体76位)で指名している。
その時の縁があるのでマッキャンの心が動いても不思議ではない。
フィリーズのジョン・ミドルトン・オーナーは「リアルミュートと契約延長ができないならサンチェスの放出には応じなかった」と語り、リアルミュートとの再契約はフィリーズの最優先事項に思えたが、各球団の経営悪化が報じられ、年平均2200万ドル前後と予想されるリアルミュートの複数年契約には応えられないということだろうか。
そこで浮上した新編成部長デーブ・ドンブロウスキー氏とジェームズ・マッキャンとの関係。「MLBネットワーク」のジョン・ヘイマンの説明が妙に納得できる。
下に説明しているが、マッキャンはこの数年の数字の割には年俸540万ドル(20年契約)とリーズナブル。リアルミュートほどの実績はないが、守備も悪くない。
リアルミュートはどうなるのか?
結局、フィリーズも「無い袖は振れない」ということかもしれない。そうなれば今オフ注目のFA捕手J.Tリアルミュートのフィリーズとの再契約はどうなるのか?
現在のところメッツとの契約が有力視されており、エンゼルスの名前も挙がっている。
リアルミュートは29歳で、通常なら35歳ぐらいまでの5~6年間の1億ドル(年平均2000万ドル)ぐらいの契約になりそうだが、今季は、新型コロナウイルスの影響により無観客開催となり、各球団が財政面で大きなダメージを受けた、来季の見通しも不確定で、ここまで大型契約は皆無だ。
想定される契約内容
リアルミュートの契約内容を予想してみた。考えられるのは5年契約の2年目終了時にオプトアウト条項を盛り込んで、選手が契約を放棄して他球団と交渉できる条項を盛り込んでおくことだ。29歳だから、31歳ぐらいに契約を見直すことができる。
①たとえば21年2500万ドル、22年2500万ドル、23年1500万ドル+オプトアウト、24年1500万ドル、25年1000万ドルの5年総額9000万ドル。年平均1800万ドルで22年終了後にオプトアウトできる余地を残しておく。
②それか、球団が有利になるので選手には受け入れがたいが、21年1500万ドル、22年1500万ドルと最初は安く抑えて、3年目以降、5年目終了まで2500万ドルと大幅にアップする契約。ただし、2年目終了後に球団オプションを盛り込む。そうすれば球団は数年間安い年俸で選手をキープできる。
下記は2020-21年オフにFAになる代表的な捕手たちだが。リアルミュートの評価は高いが、ここではホワイトソックスからFAのジェームズ・マッキャンに注目している。過小評価されている捕手だ。
ほかにはレジェンド、ヤディアー・モリーナのカージナルス残留か気になるところだ。ニューヨークの2球団とカージナルス残留の線が濃厚だ。
ジェームズ・マッキャン(30歳/ホワイトソックス)
540万ドル、2020WAR1.5
昨年のオールスターゲームにも選出されたジェームズ・マッキャン(18本塁打、OPS.789、20年490万ドル)。グランダルの獲得で、控えに回ることも多かったが、今季も捕手のカテゴリーではトップクラスのWAR1.2をマーク。
31試合、打率.289、7本塁打、15打点、出塁率360、OPS.896の数字を残した。守備ではメジャー7年間で盗塁阻止率359をマーク。過去4年間連続で、この分野でトップ10に入っている。
MLB全体を見渡しても打てて守れる捕手は少なく。当然、ニーズは多い。ホワイトソックスが再契約に失敗すれば、FA捕手の中では注目の選手になる。ア・リーグではDHとしても起用できるので複数の球団が欲しがるだろう。
メジャーリーグ公式サイトでメッツの番記者アンソニー・ディコーモは現地9日(日本時間12月10日)、メッツがジェームス・マッキャンとの交渉を継続していると伝えている。「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタールはメッツとの契約合意が近付いていることを報じていたが、まだ合意には至っていない。
ほかにはアストロズ、エンゼルス、レンジャーズ、インディアンスなどが正捕手を必要としている。
J.T.リアルミュート(30歳/フィリーズ)
2020WAR1.7
2019年2月8日にホルヘ・アルファーロ、シクスト・サンチェス、ウィル・スチュワート及びインターナショナル・ボーナス・プール(海外選手契約金枠)とのトレードで、フィラデルフィア・フィリーズへ移籍した。今季は調停の公聴会を経て単年1000万ドルで決着。(短縮シーズンで実質は$3,703,704)。今季は11本塁打、OPS.840。
フィリーズのジョン・ミドルトン・オーナーは、今オフにFAになったリアルミュートと再契約することがフィリーズの最優先課題であることを明言している。クオリファイングオファーも拒否された。春の年俸調停でも見られたようにリアルミュートの要求額が想定以上に大きければ再契約は困難になる。
下記は2020-21年オフにFAになる代表的な捕手たちだが。リアルミュートの評価は高いが、ここではホワイトソックスからFAのジェームズ・マッキャンに注目している。過小評価されている捕手だ。
ほかにはレジェンド、ヤディアー・モリーナのカージナルス残留か気になるところだ。ニューヨークの2球団とカージナルス残留の線が濃厚だ。
残っているFA捕手たち
NAME(年齢/20年所属)20年年俸、2020WAR
※WARはfWAR
ウイルソン・ラモス(33歳/メッツ)1000万ドル、0.2 Club Option
ヤディアー・モリーナ(38歳/カージナルス)2000万ドル、0.5
タイラー・フラワーズ(35歳/ブレーブス)400万ドル、0.4
ジェイソン・カストロ(33歳/ツインズ)685万ドル、0.3
アレックス・アビラ(34歳/ツインズ)425万ドル、0.2
カート・スズキ(37歳/ナショナルズ)600万ドル、0.0
ジョナサン・ルクロイ(35歳/フィリーズ)150万ドル、0.0
マット・ウィータース(35歳/カージナルス)、-0.0
サンディ・レオン(31歳/インディアンス)、-0.1
オースティン・ロマイン(31歳/タイガース)180万ドル、-0.5