MLB契約情報
クレビンジャーはTJ手術で来季は戦力外、それでも契約する理由は?
パドレスが16日(日本時間17日)、今季夏のトレードデッドライン前にインディアンスから獲得した29歳の右腕マイク・クレビンジャーと2年契約で合意した。AJプレラー副社長兼ゼネラルマネージャーが発表している。同時に右腕はトミージョン手術(TJ手術)を受けるということも発表された。
The #Padres have signed RHP Mike Clevinger to a two-year contract through the 2022 season.
Clevinger will also undergo Tommy John surgery on Tuesday: https://t.co/pGMY4oAyFu pic.twitter.com/uAc5bsX9JD
— San Diego Padres (@Padres) November 16, 2020
日本時間17日、午前8時の時点で金銭的なことを含む契約内容の詳細は不明
パドレスは、MLBサービスタイム4.013のクレビンジャーがフリーエージェント(FA)になるまでは、あと2年保有することができるが、1年ごとに年俸調停のプロセスで交渉するのではなく、2年契約を結ぶことを検討していた。今回は、その2年分を買い取ったことになる。
とういうことは、交渉時点でTJ手術は織り込み済みだったということ。
なぜ?来季全休の選手と契約?将来性とバウンスバックに期待しての投資?
クレビンジャーは、メジャー2年目の2017年から3年連続で12勝以上をマーク。2018年には自己最多の200イニングを投げて207奪三振を記録するなど、インディアンス先発陣の中心的存在として活躍してきた。
パドレス移籍後は4試合に先発して2勝1敗、防御率2.84と期待通りの安定したピッチングを披露して、パドレスの14年ぶりのポストシーズン進出に貢献した。しかし、シーズン終盤に右肘を故障し、ポストシーズンではわずか1イニングしか投げられなかった。
その辺の事情はこのブログでも紹介している。
▶【NLDS2020】クレビンジャー戻ってきたものの僅か24球で降板
今季のレギュラーシーズンでの成績は、2球団合計で8試合に先発して41回2/3を投げ、3勝2敗、防御率3.02、40奪三振。
2年契約でも彼が2022年オフにFAとなることは変わらない。これはMLB公式サイトでも紹介しているが、2年分のサラリーを保証して球団が彼のリハビリ等を管理。今後のバウンスバック(復活)を期待しての契約かもしれない。
クレビンジャーは、過去5年間のキャリアで105試合(うち92試合に先発)、防御率3.19、FIP3.53、WHIP1.186、603奪三振、奪三振率10.0。ERA+142、rWAR13.2。
手術の結果、彼のパフォーマンスが戻れば先発陣の核として期待できる。パドレスの投資は成功するのか、その成り行きに注目だ。
【追加情報】
その後の情報が入ってきた。
メジャーリーグ公式サイトでパドレスの番記者を務めるAJ・カッサベルによると、2年契約の内容は総額1150万ドル。契約ボーナスが300万ドル、全休する21年の年俸が200万ドル、22年の年俸が650万ドルということで、完全ではないかもしれないが、22年シーズンは開幕から投げられる可能性もあり、成績に応じた出来高も設定されている。
クレビンジャーの今季の年俸は410万ドルだから、総額1150万ドルにオプションで2年分を買い取ったと考えれば、エリートクラスのスターターの年俸と比較して高額すぎる出費ではない。
パドレスが保険を掛けたということだろう。契約すれば球団が復帰ののプロセスを管理することもできる。手術から復活した例はいくらでもある。
▽Information source
http://www.mlb.jp/category/news/#37482