昨季、8年ぶり2度目の「サイ・ヤング賞」を受賞した37歳の剛腕が開幕を負傷者リスト(IL)で迎える可能性がでてきた。
2月26日(日本時間27日)、オープン戦2度目の登板に臨んだジャスティン・バーランダーは、右上腕三頭筋に痛みを訴え2イニング(29球)を投げたところで降板した。2度目の登板ということで45球から50球前後の球数が考えられたが早めの降板だった。
MLB公式サイトでも「Verlander on opener: 'Probably take a miracle'」というバーランダーのコメントを引用したタイトルで、そのことを伝えている。
バーランダーはインタビューに答え「オープニングデイに投げるにはおそらく奇跡でも(起き)ない限り無理だろう」と語った。復帰に向けてのタイムテーブルはまだ決定されてないが、彼は「しかし、奇跡を信じて、諦めたくない」ともコメントしている。
MRI検査の結果、右広背筋を痛めていることが判明。投球練習を再開する見込みは立っていない。開幕まで残り約2週間だが、この時期に異常が見つかると調整が遅れ、場合によっては数週間の戦線離脱も考えられる。
オープン戦初登板で97マイルを計測したバーランダーは、上々の滑り出しで、キャンプ序盤に痛めた股関節の状態に問題がなかったことに満足していた。しかし、オープン戦2度目の登板となったこの日は、球速が91~94マイル程度にとどまっていたという。ベイカー監督によると、バーランダーは2イニング目を投げ終えたあと、投手コーチのブレント・ストロームに痛みを訴えていたようだ。
アストロズの先発ローテーションは、昨季20勝のゲリット・コール(ヤンキース)と同14勝のウェイド・マイリー(レッズ)が抜け、バーランダーとザック・グリンキーのベテラン右腕が中心。バーランダーの戦線離脱は戦力の大幅ダウンになる。
【先発ローテーション】
1 ジャスティン・バーランダー21勝6敗、防御率2.58、300奪三振、rWAR7.8
2 ザック・グレインキー 18勝5敗、防御率2.93、187奪三振、rWAR6.4
3 ブラッド・ピーコック 7勝6敗、防御率4.12、96奪三振、rWAR1.3
4 ホゼ・ウルキディ 2勝1敗、防御率3.95、40奪三振、rWAR0.6
5 ランス・マカラーズJr. トミー・ジョン手術から復帰
ほかには、リリーバーとして49試合に登板のジョシュ・ジェームス。左腕で2年目のフランベル・バルデス、レイズからトレードで加入の4年目オースティン・プルーイットらがいるが、メジャーでの実績がない投手ばかりだ。
ア・リーグ西部地区は、ほかに対抗するチームも弱く。今季もアストロズが優位な展開が予想されたが、仮にエース格のバーランダーが出遅れるとなると、もつれる可能性も出てくる。
ここでも紹介したが、新球場の完成で積極補強のレンジャーズや大谷の二刀流復帰のエンゼルスなど、優勝争いが早くも面白くなってきた。