86年ぶりの首都ワシントンでの決戦になった第115回ワールドシリーズ(WS)。
WS2019
球団創設51年目にして初の世界一
ここまでビジターチームが全部勝利するなど話題の多いWSになったが、その第7戦が30日(日本時間31日)、アストロズの本拠地ミニッツメイドパークで行われ、ナショナルズが勝って創設51年目にして初の世界一に輝いた。
ワイルドカードからのワールドシリーズ制覇は史上7度目だった。
ポストシーズン8連勝
ナショナルズは、ナ・リーグ東地区2位のワイルドカードゲームから勝ち上がって球団史に残る栄冠に輝いた。
ワイルドカードではミルウォーキー・ブリュワーズを8回に2点差を逆転して破った。
地区シリーズ(NLDS)ではナ・リーグの有力候補だったドジャースを3勝2敗で撃破。
これで勢いに乗ると、リーグ優勝シリーズ(NLCS)ではカージナルスから4連勝で、創設51年目にして初のリーグ制覇。ワールドシリーズへコマを進めた。
アストロズとのWSでも敵地ヒューストンの第1、2戦で連勝。ポストシーズンでの連勝を史上最長タイの8連勝と勢いに乗ったかのように見えたが、セネタース(現ツインズ)が出場した1933年以来86年ぶりに首都ワシントンでの開催となった第3~5戦は苦戦して3連敗。アストロズに王手をかけられた。
敵地に再び舞台を移した第6戦。ストラスバーグの9回途中、被安打5、失点2の好投もあって3勝3敗のイーブンで最終第7戦へ。
その第7戦も先発シャーザーが2回、元DeNA・グリエルにソロ本塁打を浴び先取点を奪われた。さら5回にもコレアの適時打で追加点を献上。シャーザーは5回7安打2失点でマウンドを降りた。
打線も6回まではグリンキーの前に1安打と抑えられていたが、2点を追う7回。1死からレンドンのソロでまずは1点を返すと。さらに続くソトが四球で出塁。マウンドが2番手・ハリスに変わったところで、ケンドリックが右翼ポール直撃の2ランを放って逆転した。その後も追加点を奪い6対2で勝利した。
ナショナルズは、2番手のコービンが3回を被安打2、失点2に抑え強力アストロズ打線からシャットダウンイニングを作り、味方の反撃を待つ好リリーフだった。
MVPは剛腕ストラスバーグ
WSシリーズMVPに輝いたのは、2戦2勝のスティーブン・ストラスバーグ投手。第2戦で6回を被安打7、2失点の好投で勝利投手になると、王手をかけられていた第6戦でも9回途中、被安打5、失点2の力投、チームの世界一に大きく貢献した。
インタビューを受けた右腕は「本当に信じられない。本当に素晴らしい試合になった」と誇らしげだった。
ストラスバーグは2009年のドラフトで全体1位指名を受けてナショナルズに入団。ナショナルズ生え抜きの右腕で、14年には初タイトルとなる「最多奪三振王」に輝いた。14年からは6年連続で2ケタ勝利。今季は18勝6敗。33試合に先発、209イニング、防御率3.32(FIP 3.25)、251奪三振、rWAR 6.5。
イニング数と勝利数の18勝はキャリアハイで「最多勝」のタイトルも獲得している。これまで10年間で通算239試合に登板し、112勝58敗、防御率3.17、1695奪三振、rWAR33.9の成績を残している。