5月24日にも紹介したが、MLBは今季から夏のトレード市場が昨年より前倒しで早まっている。
フラッグディール・トレード情報
これまでは6月のドラフト会議終了後から、水面下での交渉が始まり、本格的にはオールスターブレイク後、ウェーバー公示なしのトレード期限(7月末)直前の1週間が非常に活発になるという例年のパターンだったが、今季はもう少し早くなる。
それは3月にMLBとMLBPA(選手会)との協議で、ルールが改定されたからだ。協議では7月31日をすべてのトレード期限とすることで合意。これまでのように7月末と8月末の2つの期限ではなく7月31日だけに一本化された。
現時点で「売り手」はア・リーグではブルージェイズ、オリオールズ、ロイヤルズ、タイガース、マリナーズ。ホワイトソックスも可能性がある。
ナ・リーグではマーリンズ、ジャイアンツが最下位。中部地区など混戦の地区がありア・リーグほど明確ではないが、今後、メッツあたりも「売り手」に回りそうな状況だ。
もし、ジャイアンツ(34勝44敗、地区最下位)あたりが、このまま負けが続くと「売り手」になることも考えられトレード期限前には、そうそうたる選手たちがリストアップされる状況になる。
マディソン・バムガーナー(SP)、ドリュー・ポメランツ(SP)、ウィル・スミス(CL)
アンソニー・レンドン(3B)
タイガース
シェーン・グリーン(CL)
マーカス・ストローマン(SP)21年FA。ケン・ジャイルズ(CL)21年FA。
上記は、ほんの一部だが、今後は、ポストシーズンで需要が高まるリリーフ投手(RP)たちがリストアップされるだろう。
ブルージェイズの2投手、ストローマンは21年FA。クローザーのジャイルズ(防御率1.33、12SV)は故障者リストから復帰したので、その後の経過を見てヘルシーならリストアップされる可能性が高い。
今季も三つ巴の大激戦のナ・リーグ中部地区で、カージナルスの速球王ジョーダン・ヒックスがトミー・ジョン手術を受けるので、代わりのクローザーとして21セーブのウィル・スミス(ジャイアンツ)やシェーン・グリーン(タイガース)、それとケン・ジャイルズ(ブルージェイズ)あたりも候補になるかもしれない。
ほとんどの選手が、今季終了後にはフリーエージェントになる選手たちだ。レッズのヤシエル・プイーグ外野手も今季終了後にFAになるので、この夏に電撃トレードがあってもおかしくない。
「買い手」はポストシーズンを考えたレンタル補強。「売り手」は、シーズン終了後にFAになる選手たちを市場のニーズがある間に、プロスペクトと交換するという水面下でのトレード交渉が始まっている。