今オフは、先日紹介したMLB公式サイトのFAランキングでもトップだったフアン・ソト外野手の争奪戦に注目が集まっているが、大本命のヤンキースやメッツの2球団に加えて同じ東海岸の複数球団の名前が挙がっている。
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ソト争奪戦に関しては、ニューヨークの2球団に加えて同じ東海岸でヤンキースのライバル球団でもあるボストン・レッドソックスやヤンキース、レッドソックスと同地区のトロント・ブルージェイズの名前も報じられている。
The Toronto Blue Jays have the first meeting this week. The Boston Red Sox are next. Then the New York Mets. And the New York Yankees. The Juan Soto sweepstakes is heating up.
— Jeff Passan (@JeffPassan) November 12, 2024
At ESPN+, my ultimate offseason preview, on Soto and all of MLB free agency: https://t.co/5ZXqtrQUrB
ソト陣営との面会はブルージェイズから始まってレッドソックス、メッツ、最後にヤンキースという順で進むことをスポーツ専門メディア「ESPN」のジェフ・パッサンも伝えていた。
ヤンキースとメッツの「NY対決」が有力視されている中、今週中にもハル・スタインブレナー氏、スティーブ・コーエン氏の両オーナーが南カリフォルニアの代理人、スコット・ボラス氏のオフィスを訪れて交渉が行われる予定。
「ESPN」は「クイーンズにもう1人スターを欲しがるメッツは、ソトの勧誘にリンドーアがひと役買う」と、ドジャース・大谷翔平とともにナ・リーグMVP候補となっているフランシスコ・リンドーア内野手も面会に同席することを報じている。
そういえば山本由伸の入団時にも大谷翔平が交渉に同席していた。
ソトに関しては、その抜群の打撃センスと26歳という若さから大谷がドジャースと昨オフに結んだ10年7億ドル(総年俸の97%が後払い)を契約総額と年平均額の両方で上回るという予測もある。
年平均4700万ドルの15年契約の場合で総額が7億ドルを超えるという計算だ。そこまで高騰しなくてもそれに近い(とんでもない)契約に成る可能性もある。
アーロン・ジャッジの外野手としての最高年俸4000万ドルを超えることには疑問が残るが、ソトは、2023年にFAになる前の年俸調停の権利を持つ選手として、大谷がエンゼルス時代に結んだ2023年の年俸3000万ドルを上回る史上最高額の契約を結んだ。
この巨額が予想される争奪戦にレッドソックスとブルージェイズも参戦するという。
リーグにインパクトを与えるような有力選手の移籍にヤンキースの同地区ライバルでもあるレッドソックスとブルージェイズが指をくわえてみているわけにはいかないのだろうが、個人的にはソトにそれだけの価値があるのかは疑問だ。
ESPNのジェフ・パッサンは11日(日本時間12日)、「ドジャースはソトを追いかけることはしないだろう」と指摘。
その理由の一つとして挙げたのは、ソトの守備面。ゴールドグラブ賞にノミネートされたとはいえ、守備能力が高いとは言えず、もし問題が起きた場合、他球団であれば攻撃力を生かすためにDHに配置することも可能。しかし、ドジャースの場合、そこには大谷翔平投手が君臨。外野手として不安、DHにも入れないとなった場合、獲得しても生かし切れない可能性があるため、二の足を踏むだろうと予測した。
ソトに大金を使うよりも例えばテオスカー・ヘルナンデスらと3~4年の中期契約を成立させた方が今後の補強資金に余裕が生まれる。
長期契約はケガのリスクや選手の好不調も考えればリスクが大きい。大谷ぐらいの自己管理能力や周囲に与える波及効果があれば話は別だが、10年以上となれば尚更だ。
これだけの高額選手になると、いくらヤンキースやメッツと言えども不良債権になればチームのペイロールを圧迫するだろう。ソトを過小評価しているわけではないが、将来にわたって投資に見合うリターンがあるかどうかも未知数だ。
金満球団がどんな契約を結ぶか、お金持ちのオーナーたちの契約に冷ややかな目で見るのは筆者だけだろうか?